第49話

「柚ちゃんごめんっ…待って、、ちょっと待ってっ!!─…ほらっ!これでいつもの俺でしょっ?こっち見て?柚ちゃん、泣かないでっ」




──…いつもの俺、




っと言って、自身のセットされた髪を手でグシャグシャにしてみせた凛くん





「柚ちゃん…ごめんっ、本当にそんなつもりで言ったわけじゃなくて…髪を触られてる間も俺はずっと勉強してたし、女の子と直接話したりした訳じゃなくてっ」





なにそれ、なんなの…?余計にムカつく。ひとり真面目に勉強している凛くんに寄ってたかって…何てことをっ、






「もう、これからはそれも辞めてもらうように友達に頼む…風間にも、帽子を返してもらえるようにちゃんと話すからっ」




『──…ほんと?』




「うん、約束する─…」





約束…っと言って指切りをする凛くん。それが可愛くてつい笑ってしまった私に、、





「っあ、柚ちゃんが笑った…これで今日も世界の平和は守られた」




なんて言って、優しく頭を撫でてくれる凛くん





「柚ちゃんは笑った顔が一番、可愛いよ」





ボサボサ頭でダサいメガネを掛けているのに、凛くんの一言で私の心拍数はどんどん速くなる





今日も凛くんは、私によって非モテな人生を歩まされている。

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