第48話

「ゆ、柚ちゃん…どうしたのっ、」



『どうしたの、って。凛くん…女の子に髪の毛触られてるってことでしょ?』




「いやっ…からかわれて、ワックスとかを雑につけられるだけでっ!深い意味なんて、」




『───ありえないっ、浮気だよそれっ!』





凛くんが汚された、私以外の女の子が凛くんに触れたなんて…イヤだっ、許せない。許せるわけが無いっ!






「ゆ…柚ちゃん…落ち着いてっ、浮気って、」




『浮気だよっ…凛くん、それは…浮気だよ』






溢れ出す涙を止めることなく、凛くんを睨みつけると…彼は慌てて私の涙を指で掬う





「ごめんっ…どうしよう…俺、そんなつもりじゃなくて、」




私が泣くと、凛くんはいつもこんな風に狼狽える。凛くんは何も悪くない…こともないよ?今回の件は凛くんにも非があるよ。

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