第41話

「だからっ…まずは髪を切ってみようかと、」



『───ダメっ』





くっついていた身体を離して、凛くんの目を見て"ダメだ"と告げる





「なんで、ダメなの?」



『何でも。ダメなものはダメっ!嫌なの…凛くんの髪フワフワで大好き。切らないで欲しい』




「……切っても髪質は変わらないよ?いつでも触れるよ?」




珍しく意見を述べてくる凛くん。彼を納得させられるような言い訳を考えるのに必死だった。





『……長い方がいい。今の髪型が一番似合ってる…切ったらイヤだっ…今のままがいいっ』




「………1回だけ、切ってみてもいい?それで変だったらもう切ったりしないから…お願い、柚ちゃんっ…変わりたいんだ、俺」






───変わりたい





って…なんで?変わってどうするの?今よりカッコよくなって…どうしたいの?





『1回だけでも─…イヤだ。切るって言うなら…もう凛くんと会うの辞めるっ!』





凛くんの膝の上から立ち上がり、再びキッチンに戻って─…すぐに後悔した。とんでもない事を言ってしまった。でも今更後には引けない。

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