第17話

人間見た目じゃない─…凛くんの優しさは確実に私の心を満たしてくれた。





──…手放したくない





無条件で優しくしてくれる凛くんを、ずっとそばに置きたいと思った。これでお終いなんて嫌だ。凛くんともっとずっと、一緒に居たい。






だからっ、、





『凛くん、私と付き合って─…』





今日で会うのが2度目の凛くんに…偉そうに、上から目線でっ…"付き合え"なんて言ってしまったんだ。





「っえ…お、おれっ?!なんで俺…?!速水はやみさん、可愛いのに…なんで俺なんかと付き合いたいのっ?!」





心底驚いた様子の凛くんから、"可愛い"という言葉が出ただけで、私の心臓はドクンっと高鳴る





──…ほら、もう好きになってる。





『好きになったから─…私、凛くんのこと…好きになっちゃった』





"だから、仕方ないでしょ?"っと、続けると…彼はとても分かりやすく動揺して見せて、手に持っていたカバンを地面に落下させた





──…そして、




「お、俺みたいな奴でいいならっ…喜んで!彼氏になるっ、てゆーか!彼氏にしてください!よろしくお願いしますっ!」







なんて…私の両手をギューッと握って、嬉しそうに笑った凛くんの笑顔を─…一年経った今でもよく覚えている。

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