2024/11/14 ゴールデンハニードワーフグラミー騒動 下
ずっと、悩んでいた。ゴールデンハニードワーフグラミー、という生体に心を奪われていたのである。それが、あんな無惨な事になってしまった。もう一度購入しても、また無為に死なせてしまうのではないか。そう思った。
しかし、これで辞めてしまえば、それこそ彼らの死は無駄になる。そうも思った。悩みに悩んで、もう一度、同じ店で同じく三匹を購入した。
使う水槽は、同じものである。しかし違う点もあった。まず一つに、マジックリーフを導入する事にした。元々メイン水槽にも入れた方が良いだろうかと思ってはいたのである。これはモモタマナという植物の葉で、水をブラックウォーターという、茶色っぽいものに変える。これには抗菌効果などが期待でき、またその水質はカージナルテトラ達の故郷のそれに近いのだという。その抗菌効果に、期待した。
第二に、それに加えて少し塩を加えた。塩浴である。前回はトリートメント水槽と言いつつ、水自体はカルキ抜きした水道水だった。そこで、更に手を打とうと考えたのである。
それから連日、そわそわした日々が続いた。特に導入二日後、前回の三匹が全滅してしまった二日目の夜などは仕事中から不安に包まれていた。しかし、結論から言うと、彼らは皆生存してくれた。一週間が経ち、三匹とも至って変わりなく泳ぎ回り、餌を与えれば元気よく食らいつく。ホッとしながら、メイン水槽に彼らを合流させた。
現在も、水槽の中で三匹は元気に過ごしている。次第に寒くなってきて、その対策は打たねばならない。メダカであれば、究極何もしなくても大丈夫なのだというが……カージナルテトラにしろオトシンクルスにしろ、このゴールデンハニードワーフグラミーにしろ、そうは行かない。日本の冬の寒さによって水温が下がれば、ひとたまりも無く死んでしまう。
現状の対策として、ヒーターは導入がされている。しかしそれだけというのは不安だし、例え即死するような低水温にならないとしても、水温変化は生体たちにダメージを与える。電気代もバカにならない。水温低下を緩やかにする方法を、考えねばと思った。
愛魚草紙 四紋龍 @stress-cat
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。愛魚草紙の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます