2024/10/09 道具にも色々ある2.水槽台

 アクアリウム未経験の人間が、いざ始めようと考えた時、何を思うだろうか。道具がいる。当然そういう発想になる。道具は何か。まず水槽、これを考えない人間はまずいないだろう(ボトルアクアというのもありはするが)。次にフィルターであり、或いはエアレーション、餌。そんな所だろう、というよりも私がそうだった。大体初心者という者は、フィルターというものが良く分かっていない。白い四角の、空気が出るアレは大事だろう……その位の認識だった。それも「酸素を水中に送る為のもの」程度の認識である。フィルターの種類など、やろうと思って調べ始めて初めて認識した。


 そんな私であるから、当然あの用具に関しては全く想定していなかった。プリンターを乗せていたスチールラックがある、それに乗っけようと思っていたのだ。それが、調べて青褪めた。水槽というのは、特に60センチ水槽ともなれば、専用の水槽台が必須だと言う。


 ちょっと待て、そんなもんが必要なのかと思ったが、よくよく考えれば水というのは一リットルで一キロである。六十センチ水槽は約六十リットルは水が入るというから、それだけで六十キロある訳だ。その上、水だけ入れるという事も無い。例えば私が購入したセットの場合、付いていたフィルターは上部フィルターであるからその重さもある。大した重さではないがLEDライトの重さもある。当然生体も重さがあり、中に石やら水草やら入れるならその重さもある。諸々含めて、大体成人男性一人分、それも少し重量級の人間並みの重さがかかる訳だ。しかもこの重さは動き回らない。ずっと一か所に掛かり続ける訳である。


 例えば私の職場にある様な、商品陳列用の巨大なスチールラック、あれであれば何の問題もなく支えられるだろう。しかし当然、あんなものを家に置ける訳は無い。我が家のスチールラックなど論外だ、何しろ昔祖父の家から持ってきた年代物、若干天板が歪んでいる。プリンターやちょっとした本数冊ならともかく、六十キロ以上の水槽など置ける訳もない。何より歪んだ天板に載せれば、その歪さから水槽を痛めもする。私の家には置けそうにもなく、設置を考えてもいないが、九十センチ水槽以上ともなれば床が抜ける可能性さえ考えねばならんのだ。


 さて、水槽台を買わねばとなるが、これが予想以上に高価だ。一万円を軽く超えるものが並ぶ。といって安物を買うのも恐ろしい。安物買いの銭失いだけはごめんだ。その中で私が選んだのは、GEXのスチールラックだった。これは安い。かなり安い。GEXといえば日本でも知られた大手メーカーだし、その上調べて見ると、このスチールラックを使用しているブロガーやユーチューバーも多いようだ。ならばある程度、信頼もできよう。


 そういう訳で、このラックを購入した。組み立ては丁度帰省していた弟が、私の仕事中に片付けてくれたが実に簡単だったという――最も、学生時代から機械いじりの好きな男のいう簡単であるから必ずしも当てになるかは分からぬが――。


 天板はホームセンターで購入した合板に防水用のフィルムを張った。少しかたかたとするが、水槽を乗せると安定した。スマートフォンの水平儀アプリを使い確認すると、僅かな角度はあるがほぼ許容範囲だろうというところに収まっている。


 個人的に良いのが、この水槽台二段式なのである。この下段にも合板を置き、最初は道具を手当たり次第に置いていた。その後、トリートメント・薬浴などに使おうと購入した三十センチ規格水槽を置いている。


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