1枚目 専業?いやいや大学生ですよw
夏休みも始まって一ヶ月近く経とうとしてる。そんな中、俺は何をやってるかって?そうギャンブル!パチスロよ!もろちんソロよ。何せ俺は勝ちに来てる。いや、稼ぎに来てるっつーわけだ。イキリ大学生のお遊びギャンブルとは訳が違う。実際、今月俺は20万近く勝っている。稼働自体はそんなにしていないが、知識と剛腕と直感で勝つことができている。そして今日も現在14時の時点で+600枚近くある。リセット期待値のある台を確保し、自慢の剛腕で下振れを許さかった結果である。まさにスロットの天才。他の大学生たちがピエロなんかを打って数千円の勝ち負けを繰り返してるのを見てると馬鹿なんだろうなと思っちまうよ(笑)。おっ、この台、前回st駆け抜けの300gや。ラッキー。普通なら500gはハマってないと打てないが、そんなとこで辞める奴なんて滅多にいない。が、この台st駆け抜け後は実は甘いのである。これは個人のブログから拾った信頼性の低い情報であるが、少なくとも俺の実施経験上では300gからは打てる。今のパチスロは情報戦なのだ。
そんな脳内実況をしながら、ボッチであることの気を紛らわせる。
着席。
隣、女の人か。顔は見えなけど、若そうである。同い年くらいか?可愛い気がする。顔は見えなけど。
目は女の方にやりつつもレバーを叩く。
まぁパチ屋にいる可愛い子の9割は彼氏と一緒に来ている。この子も彼氏と来ているに違いない。なんか打ち慣れてなさそうだし。でも、あわよくば一人だったりしないかなぁ。いっそのことナンパしちゃおっかなぁ。というか、逆ナンされないかなぁ。
しょうもないことを考えながら淡々と打っていく。
スロットを打つ時に一番大事な事は感情や表情を見せないこと。一喜一憂してるとカッコ悪い。淡々とクールに慣れてる感だして打つことがスロッターの肝だ。特にボーナス消化中は「だりぃ」って顔して打つのがカッコいいとされている。そうすれば隣の可愛い子ちゃんも僕にメロメロなハズッッッ!。ってうわー。やっぱり彼氏持ちかよ。
女が後ろに来た彼氏らしきチャラそうな奴と話しはじめた。
チッ しかも毎回、彼氏は厳ついイキリ大学生みたいな奴なのはマジで何?パチ屋にいるカップルで性格良さそうな彼氏、一人も見たことねーよ。この女もセンス悪りぃなぁ。せっかく可愛いのに。
突然彼氏が少し大きな声量で怒鳴る。ビビって少しだけ尻が浮く。
うわっ、喧嘩始めたよ。たまに居るんだよなぁ。
「何で付き添いで来てあげてるのに、たっくんが機嫌悪くしてんの!」
「お前が全然当てないからだろ!俺の金だぞ!」
「たっくんが行きたいって言うから来たのに、その言い方は無いでしょ!」
うわぁー修羅場やん。どうか巻き込まれませんように。てか、彼女付き添いならもっと優しくしてやれよ彼氏。好きでもないのに付き合ってもらって打ってるわけでしょ。コレ彼女帰っちゃうやつだよ。
「あーもうダリィわ。残りの金返してくれ。俺帰るわ」
彼氏は彼女から千円札を何枚か奪うと早足でこの場を去った。
「意味わかんない。たっくんのために好きでもないパチンコについて来たのに」
台に座ったまま呆然とする彼女。
うわぁー。マジかよ。彼氏帰っちゃった。彼女じゃなくて彼氏帰っちゃった。珍しいなw。彼氏の金で打ってるなら、せめて当たるまで打たせてから帰ればいいのに。もったいない。彼女はどうするんだ?。やめて帰るのか?帰るだろ。好きじゃないみたいだし。
…というか今やめて帰ってくれ。頼む。天井まで約100gの期待値爆ありの台だ。俺の台も期待値ある状態だが、それ以上だ。ハイエナする準備はできている。
彼女は軽くスマホをいじったあと、ベットしレバーを叩いた。
あー。打ち始めちゃった。いや、でもまだ多分持ちメダルだ。サンドには千円づつしか入れてないから、せいぜい2、30枚ってとこやろ。メダル無くなり次第、帰るハズ。
にしてもたぶん顔は可愛いなぁ。喧嘩してる時のヒス味や、たっくん呼びはキツかったけど。こんな可愛い彼女なら、もっと優しくしてやれよ彼氏。
彼女が自分の小さいバックの中をいじる。
え?マジ?えっ?
財布取り出したんだけど。マジかよ。打つの?うわ、千円入れたわ。天井知ってるのか?彼氏に教えてもらったのか?…あちゃーハイエナチャンスやったのに。しっかり打ってから帰るのね。しゃーなし。俺も自分の台に集中しよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます