第79話
ヒヤマは面倒臭そうに答えた。
「気味悪いくらいのイケメンが一人いるだろ。あいつだよ。」
その言葉で、リーというのがあの綺麗な男の名前だと分かった。
ということは、彼はやっぱり中国人なのだろう。
「たぶらかしてなんかいませんけど…。」
「とにかくあいつはあんたに入れあげてるんだ。お陰で仲間が一人減っちまった。」
「減った…?」
ヒヤマは顔を上げ、その黒い切れ長の瞳でギロリとわたしを見た。
「昨日、リーが殺したんだよ。ヤンを…あんたを犯そうとした男を。」
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