第70話
わかっていた。
この美しい男には、さっきの髭の男みたいに厭らしい感情なんて微塵もない。
それに、もし本当にこの先この体が男達の慰みものになるのなら──。
初めに、彼に触れられたい、と思った。
わたしは男の言うがままに冷たい床に横になると、胸を隠していた両腕をそっと下ろした。
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