銃声
第65話
震えが完全に止まるまで、男はわたしを抱き締めてくれた。
わたしが落ち着いてくると男は体を離し、着ていた黒いTシャツを脱いで上半身裸のままのわたしにすっぽりと着せた。
それから男はすっくりと立ち上がり、何故か入口の方をじいっと睨んだ。
上半身裸でジーパンだけを履いている男の体は、細身だけど程よく筋肉が付いていてその顔に相応しい美しさがあった。
それから男はわたしを残し、無言で部屋から出て行った。
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