第40話
「え────────?」
全く予想もしていなかった返答に、頭の中がグルグルと目ま苦しく回り始めた。
「何…言ってるの…?そんなの、嘘に決まってる。」
「いいえ。嘘ではありません。」
ヒヤマは形の良い口の端を上げて、クックとさも可笑しそうに笑い始めた。
「わたしはしっかりと彼女から聞きました。余分にお金をあげるから、あなたを煮るなり焼くなり売るなり、好きにしろとね。」
視界が、真っ暗になる。
深い深い闇に突き落とされるように───。
力を無くしたわたしの膝は、ガクリと折れて床に落ちた。
ナニイッテルノ?
ソンナコト───
ソンナコト、アルワケナイジャナイ───
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