第11話
疑う余地が無かった。
うちの家はお手伝いさんが何人もいたり、別荘も何件かあるくらい裕福。
わたしの通っている女子高も屈指の名門校で同じようなお金持ちばかりが通っているから、学校でも繰り返し言われていた。
誘拐には気を付けなさい、と。
気を付けるも何も、登下校時は学校の前には何台も高級車が停まっているんだから、皆家から学校まではドアtoドアの生活。
わたしだってそうだ、佐々木さんが毎日送り迎えしてくれているんだから。
だから誘拐なんて、あり得ないことだと考えていた。
───だけどわたしは今何故か、こうして囚われの身になっている。
家のベンツにそっくりのあの車──あれが、誘拐犯の車だったんだ──。
なら、佐々木さんはどうなった?
そっくりの車が用意されていたのか、それともあれは、乗っ取られた佐々木さんの車だったのか───。
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