第33話

我慢出来なくて、その場にうずくまる。


すぐ目の前にある雪で濡れたアスファルトが、白く霞んで見えた。





「どうしたの、おねーさん?気分悪いの?」


「大丈夫かよ」


「お前、ミネラルウォーター買って来いよ」


男の子達が心配して、口々に話し掛けて来た。


栗色の髪をした男の子が、わたしと同じ様にしゃがみ込んで背中をさすってくれた。


一人が、その場を離れるのが分かった。


本当に、ミネラルウォーターを買いに行こうとしてくれてるみたい。






優しい子達だなあ、って思った。


帰ったら、リキにも教えてあげないと。


あなたのファンの人達は、とっても素敵な人達だよって────。







すると突然、背中を擦る手が止まった。


そして。


「────おい、あれって……」


という栗色の髪をした男の子の戸惑いの声が、すぐ真上から聞こえた。

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