第25話

わたしは知っていた。


そのわたしのためだけのラブソングは、未だに増え続けていることを。


また、新しいノートが増えていた。


そこにはやっぱり、愛の言葉がたっぷりと綴られていて……。






一緒に住むようになってから、歌の歌詞もすごく幸せそうなものに変わっていた。


わたしと過ごした一日がそのまんま書かれたまるで日記みたいな歌も見付けて、思わず笑ってしまった。


気付けば、夢中でページをめくっていた。







めくればめくる程に、泣きたいくらいに伝わって来る。


彼がどんなに、わたしを愛してくれているかが……。


「愛してる」だとか「好きだ」なんて、言われたことがない。


だけど言葉にするよりももっとずっと深い愛情を、一緒にいるようになった今でも彼はすぐ側でわたしに注いでくれている。







朝彼を傷付けてしまったことを、再び悲しく思った。


今すぐ彼を抱き締めて、「大好きだよ」って言いたい。


この世の誰よりもあなたが好きだって────伝えたい。







壁に掛けられた時計に視線を移す。


───午後9時。


リキはまだ、ライブ中だろうか。







……今すぐに、会いたい。

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