第22話
───目が覚めたら、辺りは薄暗くなっていた。
随分長い間、眠っていたみたい。
今日は仕事が休みだけど、昨日まではけっこう忙しかったから。
妊娠してるし、疲れ易いのかも知れない。
わたしはリキと結婚する数年前に医療事務の資格をとって、今では病院で働いている。
といっても不規則に訪れるリキの休みに合わせれるよう、パートだけど。
パートだから産休や育休なんてないし、ぎりぎりまで働いて仕事は辞めようって思っている。
……そんなことを計画する前に、リキとこれからについてを話し合う方が先決なんだけど。
────午後6時。
わたしは起き上がり、取り敢えず何か食べることにした。
食欲なんて全く無いけど、食べないと体によく無いだろう。
あっさりしたパスタくらいなら、食べれそう。
泣いたまま眠ってしまったから、目が腫れているのが分かる。
毛布も何も掛けずに長時間寝ていたから、暖房を付けっ放しだったとはいえ体が少し冷えている。
────そして胸の奥も、ぽっかりと穴が開いたみたいに寒々しい……。
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