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第21話

────リキが出て行ってからしばらく、わたしはリビングのソファーに座って一人泣いていた。


コウがせっかく入れてくれたコーヒーも、ダイニングテーブルの上できちんと3つ並んだまますっかり冷えきってしまった。


クリスマスムード満点のかわいらしいケーキ達も、箱に戻して冷蔵庫にしまった。






今更の様に、吐き気が込み上げて来てソファーの上にうずくまった。


昨日までは、胃はムカムカしてもこれほどまでじゃなかったのに。


そっと下腹部に触れ、優しく撫でてみる。


まだ2ヶ月だし気のせいだろうけど、硬いような気がした。






リキはやっぱり、子供が欲しくないんだろうか。


この子の誕生を、自分とわたしの赤ちゃんの誕生を、喜んではくれないんだろうか───。







どれくらい、そうやって泣いていただろうか。


気が付けばわたしは、ソファーの上で泣いたまま眠っていた。

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