第11話
───……
リビングのドアがパタリと閉まり、リキがバスルームへと向かうのが分かった。
するとすぐにコウは立ち上がり、コーヒーメーカーにフィルターをセットしているわたしの背後に近付いて来た。
「ねえ」
コウが、後ろから手を伸ばして来るのが分かった。
彼がそっと触れたのは─────
わたしの、お腹。
「あいつに、まだ言えてないんだね」
「うん……怖くて」
「そっか、何ヶ月だっけ?」
「まだ、2ヶ月」
「体調はどうなの?」
「ちょっと食欲が無いくらい。でも、そんなにひどくないよ」
「そっか」
───そうなんだ。
わたしのお腹には、リキの赤ちゃんがいる。
だけどそれをリキに言わずにコウに先に相談してしまったのには、ある理由があった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます