第6話
すると眠っていた筈のリキが俄かに頭を動かして、わたしの唇にキスを落として来た。
冷たく柔らかなその感触はついばむ様にわたしの上唇に触れた後、すぐに離れて行った。
「おはよ」
優しい声が、頭上から聞こえる。
「寒くない?」
剥き出しの彼の腕を擦りながらそう言うと、
「アゲハがいるから寒くない」
そう言ってリキは、わたしの体をぎゅっとその胸に閉じ込めた。
そのままリキの手はわたしのTシャツを捲り、直に背中を撫でてくる。
そしてもう一度唇を重ね、徐々にそのキスを深いものに変えて行こうとしている。
雰囲気で、分かる。
リキが今から、ソレをしようとしていることが。
───リキは何故か、いつも夜よりも朝にその行為を求めてくる。
夜は単純に疲れて寝ちゃうってにもあるんだろうけど、朝した方が本人曰く「アゲハがどんな顔してるか見れるから」らしい。
正直そんな顔恥ずかしいから見ないで欲しいんだけど、結婚して3年も経つのにまだそんなことを言ってくれるのは、すごく幸せなことなんだと思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます