第71話

いつもはコウ先輩はそのまましばらくいるのに、今日はその後すぐに背を向け行ってしまった。






「ちょっとアゲハ、コウ先輩と一体どういう関係なのよ。」


ユイの顔が真剣に怒っている。


「中学の時のわたしを見たことがあるらしいの。───それだけ。」


「何それ?よくわかんない。」


今度は、ユリナが苛立った声を出していた。







午後の授業の間も、わたしは誰をライブに誘おうかとずっと考えていた。


ユイでもユリナでもなく、違う子を誘う?


それとも後腐れなさそうな、全然知らない人を誘う?


思い切って、一人で行く?






結局、考えはまとまらなかった。


このままだと、一人で行く線が濃厚だ。


でも一人行動にためらいのないわたしでも、さすがにライブハウスなんて未知の場所は躊躇してしまう。

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