第5話

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レコードから流れる音が遠退き、次第に人々の歓声が聞こえて来た。




彼はその歓声を一身に浴びながら、光輝くステージの真ん中に立ち尽くしていた。




上半身裸の彼は体中に汗を掻いていて、光の加減でキラキラ輝いているように見えた。





彼は目を閉じ、ひたすらにマイクに向かい歌い続けていた。






その姿は、この世の誰よりも神々しかった。






わたしは人々の熱気に埋もれながら、必死に彼を見上げることしか出来なかったんだ───。

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