第4話

カラカラと、レコードの回る音が微かに聞こえる。


それは、彼が以前にもこの場所で聞かせてくれた曲だった。


わたし達の親世代よりももっと前に現れ、世界中の若者達を熱狂させたその人達の曲。


彼はその人達の曲が好きで、いつだって何度も繰り返し聴いていた。







雲が風に流され太陽が顔を出したのか、天窓から温かな日射しがわたしの頭上へと降り注いで来た。


光の中で、わたしはそっと目を瞑った。







そして自然と───


かつての彼の姿を、思い浮かべていた。

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