第3話
わたしはまるで吸い寄せられるみたいに、ロフトへと続く梯子に近付き、気付けばそれを登っていた。
辿り着いたその空間には、以前と同じようにところ狭しと正方形の台紙のようなものが、積み重なっていた。
今はもう殆ど見掛けることなんて無い、アナログ盤レコード。
その量は、心なしか前より増えた気すらする。
部屋の真ん中の壁際に置かれたレコードプレイヤーには、レコードが入れっ放しになっていた。
レコードの使い方なんてよく知らなかったけど、以前彼がそうしていたように、わたしは透明のカバーを開けると電源を入れ針をその真っ黒な丸型のレコードの上に移動させてみた。
すると、すぐに音楽が流れ始めた。
わたしはレコードプレイヤーの前に体育座りをして膝に顔を埋めた。
そしてじっと、微動駄にすること無くそのレコードから流れる音に耳を傾けた。
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