第20話

第二階層は、森だった。なのに、一回層より寒い。

「だいたいこういうところにいるのは蜂なんだよな〜」

そんなことをつぶやきながら、歩いていると、ドガッという音が聞こえた。

「何かいるのか?」

しゃがんでコソコソ歩きながら音に近づいていくと、音の正体が見えてきた。それはまるでイノシシ、俗に言う〇〇なんちゃらボアだった。

『マスターもわかっていると思いますが、あのイノシシはダッシュボアといいます。』

う、うん。知っていたョ?

『マスターが知っているか知っていないかは置いといて、ダッシュボアは、速度が速く、その加速度から繰り出される突進がとても強力です。先程聞こえた音も、ダッシュボアが木にぶつかった音です。ただし、小回りがきかないので、ちょこまか動き回るマスターは簡単に勝てます。』

ありがとう。でもなんかディスってない?

『気のせいです。マスター。』

「まあじゃあ倒しに行くか!」

そう言って俺は飛び出した。

「ブモ?」

こっちに気づいたダッシュボアは、自分に向かって突進してきた。『ダッシュ』とつくくらい速く、気づいたときにはすぐそこだった。

「くそっ」

アイツと自分の間に剣を入れ、防御する…はずだった。

寒さのせいで、体が強張り、うまく腕が動かない。

死ぬっ、そう思って目を閉じたが、いつまで経っても衝撃は来なかった。目を開けると、鬱蒼とした森の中では目立つ金色、俺の剣だった。

『マスター、危ないところでしたね、大丈夫ですか?』

「ああ」

どうやら助けてくれたのはアドバイザーさんらしい。そういえばスタンピードのときのダンジョンで、頼んでいたのを思い出した。

俺の剣にぶつかって驚いているダッシュボアを斬りつける。思いの外毛皮が固くて、手間取ったが、4回ほど斬りつけると、静かになった。

「ありがとう。助かったよ。」

『どうもありがとうございます。』

すると、ピコンっと言う音が聞こえた。

『日下 翔が、極限の寒さの中の戦闘に打ち勝ちました。

報酬として、[属性付与 ]が授与されます。』

「よしっ、アドバイザーさん、これどんなスキルかわかる?」

『これは、武器に冷属性を付与する、簡単に説明すると、武器に氷属性を付与するスキルです。』

おぉ、強そう!それにこういうスキルに夢を感じるのは俺だけなのだろうか。


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半月ほったらかしにして申し訳ございません!

ちょっとモチベーションが無くなってしまったもんで…




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