第三章 勇者への道 勇者のダンジョン編

第18話

『まずマスターには、勇者のダンジョンへ行ってもらいます。そこには、真の勇者になるための施設があります。ただし、そのダンジョンは、魔王が特に重点的にモンスターを送り込んでいます。』

まあ、魔王の天敵を作っちゃうんだから当然か。

『ですが、我々としても、勇者は早く来てほしいので、マスターの準備ができ次第連れて行くことになります。』

「連れて行くってどういうこと?」

『神の力でワープさせます!ちなみに魔物の強さは、ギリギリ大丈夫かな〜、といったくらいでしょうか。』

「疑問形なのは気になるけど、いいよ。ただ、魔王を倒して、ダンジョンがなくなるのは日本だけ?それとも世界中?」

『世界中のモンスターが消えます。何が言いたいのでしょうか?』

「いや、もし世界中のダンジョンが消えるなら、各国からお礼がほしいなって、

日本のダンジョンは、今俺も住んでるし消したいけど、世界中のダンジョンまでって言われるとそんなに興味ないのよ。」

『わかりました。各神に相談してきます。』

「もし良いならやるよ〜って伝えといてくれる?」

『わかりました。』


     ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

『良いそうです。ただ、ここだけの話しなんですが、老害共が、

「勇者なんぞに褒美をあげる?ふざけるな!勇者なんぞさっさと洗脳して手駒にすればいいだろうが!」

と叫んでいるそうなのです。一応上位の神々が粛清している途中です。逃げ足だけは速いので、何人かまだ残っているそうです。あと、[アドバイザー]のスキルが有れば、洗脳は効きません。』

「ありがとう。じゃあ勇者のダンジョンに行こうか。」

『わかりました。では、ワープさせます。』

そういったあと、ギュルン!と、視界が回り、ダンジョンの扉の前についていた…んだが、

「アドバイザーさん、これ酔うんだけど。」

『申し訳ございません。改善しておきます。』

「あとここどこ?めちゃくちゃ寒いんだけど。」

『ここは南極です。マスターがレベルを上げてなければ、めちゃくちゃ寒いぐらいどころではなかったでしょう。』

まあいいか、早速ダンジョンに入るぞ〜!

そう考えながら俺はダンジョンに足を踏み入れた。

『そういえば言っていませんでしたが、ダンジョンの中はもっと寒いですよ。』

マジで?!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る