第2話

「やっぱり、アファエルさんって三浦アキさんだったのですね」


 わたしの目に、狂いはなかったわ。


「えっ、どうしてそれを」


 少し、驚いた表情を見せるアファエル。


「わたし、ジェットモービルレースが始まってすぐ、魅力にハマっちゃって」


 空を、自由に飛ぶのって人類の夢よね。


「へぇー、そうなの」


 ブラックコーヒーを、グビッと飲むアファエル。


「空中の格闘技じゃあないですか! いつぶつかって落ちるかハラハラするし!」


 あぶないギャンブルよね。


「まぁね」


「そこで、推しの選手に出会えたんです! ルックスも、わたし好みな新人選手」


 合掌するわたし。


「ふーん」


「でも、その人は新人王を取った後で、すぐやめちゃった」


 わたしは、背もたれによりかかる。


「もしかして」


 カップを、口につけたまま止まるアファエル。


「そう。アファエルあなたよ」


 アファエルを、指差すわたし。


「………もう、昔話はそのくらいにして、ママ活の件を話そう」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る