第21話 トモキアの本性
さて、今日もレッスンだ。
すると、トモキアがやってきた。
「みんな、今日はいつものようにレッスンをするだけではなくてね。
ちょっと先日のコマーシャルのスポンサー様がいらしているんだ。
でね、ちょっとした接待を君たちにお願いしたくてね。
で、スポンサー様は特にサクラちゃんを気に入られている。
サクラちゃんだけでいいから、きたまえ。」
「はい、トモキアさん。」
これは枕営業ではないのか?
まずいな、このままではサクラが枕営業の餌食だ。
サクラは当然、枕営業であることを察していない。
サクラはただの接待だと信じている。
俺はとっさに声を出した。
「その接待、私とリラも同行できませんか?」
俺たちが行けば、接待を止められるか?
「いや、きみたちはいいよ。
レッスンしていなさい。」
「でも・・・。」
「いいと言っておろう!
君もしつこいね、僕の言う通りにしなさい!」
トモキアをいら立たせてしまった。
あまり無理に言っても仕方ないか。
うーむ。
このままではサクラが犯されてしまう・・・。
サクラはすでにトモキアに洗脳されており、トモキアの言うことであればたいがい聞いてしまうだろう・・・。
何か手はないものか・・・。
すると、リラが耳打ちをしてきた。
「ジェイク、トイレに行くふりをして後をつけてやってはくれないか。
そうして、本当に犯されそうになったら、トイレと間違えたふりをしてその部屋のドアを開け、現場を押さえるんだ。
どうだ?」
なるほど。やや強引な手だが、それしかあるまい。
こういうこともあろうかと、バルタザールの件で使った盗聴器がある。
これをサクラに持たせ、様子を見よう。
「サクラさん、もしものために、これを肌身離さず持っておいてください。
よく効くお守りです。」
「は、はあ。」
サクラははてな顔だが、盗聴器を受け取った。
さて、俺はコソコソとサクラのあとをつけた。
そして、サクラはとある部屋にはいって行った。
俺はその部屋の近くのスペースに身をひそめ、盗聴器に耳を傾けた。
トモキアが話す。
「さあ、サクラちゃん。
これからね、スポンサー様に接待をしてもらう。
接待というのはね、コマーシャルの契約を結んでくれたお礼みたいなものさ。」
「具体的に何をするんですか?」
サクラの声だ。
「うーんとね、言いにくいんだけど・・・。
エッチなことをしてもらおうと思っている。」
「え、そんな・・・。」
「そりゃびっくりするよね。
でもね、グループ存続のために大事なことなんだ。
お給料だって増やしてあげるし、テレビ露出とかだって優遇してあげる。
それにね、四つ葉パレットの先輩たちもこうやってお仕事を獲得してきたんだ。
わかってくれるね?」
「は、はい・・・。」
やはり。
トモキアはここでアイドルに肯定させるために、日頃のレッスンで過剰なまでに叱ったり、コントロールを強いてくるのだ。
なんと卑怯な男だ。
「さあ、わかったら、こっちの部屋へおいで。
そして、まずはおトイレに行って、それからシャワーを浴びるんだ。
そしたらバスローブに着替えて、スポンサー様を待ちなさい。
スポンサー様が来たら、彼の言う通りにご奉仕するんだ。
いいね?」
「は、はい・・・。」
すると、トモキアの言う通りにサクラはトイレに行く。
「ジョボジョボジョボ・・・。」
シャーロット会長に続いて、サクラのおしっこの音まで盗聴してしまった・・・。
そんなことは置いておいて、サクラはシャワーを浴び終え、着替えると、先ほどの部屋へ戻る。
「やあ、きみがサクラだね。
なんてかわいいんだ!」
スポンサーの男だろうか。
「あ、ありがとうございます。」
「じゃ、じゃあ、早速だけど、おっぱい見たいなあ。」
「え、で、でも・・・。」
まずい、もう突入しなければ、コトが始まってしまう。
俺はトイレに行く演技をしながら、猛ダッシュでサクラの入った部屋に駆け込む!
「あー、漏れちゃう漏れちゃうー!
トイレはどこー!?」
ガチャっ!
スポンサーのおっさんとサクラだ!
サクラはまだ胸は見せていない様子。
しかし、サクラをベッドに押し倒し、男が覆いかぶさろうとしているではないか!
俺は演技を続ける。
「あのう、ここトイレありますか?
って、何してるんですか!?」
スポンサーの男が言う。
「い、いやあ。
ちょっと酔っぱらっちゃってね。
この女の子には何もしていないよ!?」
おっさんは呆れたウソをつく。
「そこの女の子は・・・サクラさんではないですか!
どうしたんですか!?」
すると、サクラが泣き出し、俺の胸の中に飛び込んだ。
ああ、サクラのおっぱいが俺の胸にたしかに当たっている・・・。
と、今はそれどころでない!
「あ、あなたね!
こ、これはレイプなんじゃないですか!?
この子、嫌がってますよ!?」
「い、いやあ。
酔っぱらってただけなんですーーー!」
スポンサーのおっさんはあっという間に逃げていった。
ふう、サクラはひとまず安心だろう。
しかし、罰を下さねばならない人間がもう一人増えたな。
あのスポンサーのおっさんにも死という罰を下さねばならんな。
俺はこのことをリラに報告した。
「まったく、テレビ業界というのは真っ黒だな。
そのスポンサーの男もぜひ拷問してくれ。」
こうして、拷問対象がもう一人増えたのだった。
=== 作者あとがき ===
次回、トモキアとリラのお忍びデート!
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