第20話 リラ、アイドルになる
さて、今日はリラの初出勤日だ。
「今日はわたしがアイドルになる日だな。」
「ああ、まさか本当にアイドルになってしまうとはな。
それにしても、ずいぶんと嬉しそうだな、リラ。」
「まあな。女の子にとってアイドルになるっていうのは一つの夢でもあるんだ。
うれしくて当然さ。」
そういうもんかね。
てかこいつ神なのにアイドルになるの嬉しがるんだな。
「神も仏も関係あるまい。
わたしは神である前に一人の女の子なのだ。」
ふーん、やっぱり神にも性別はあるんだな。
ってことは子供もできるのかな?
そんなことを考えていると、俺たちは指定の会場にやってきた。
今日はオリエンテーション、簡単な歌唱とダンスレッスンが開かれるらしい。
俺たちは会場で待っていると、他のメンバーもやってきた。
メンバーは、リラ、ヒマリ、サクラだ。
「おはようございます!
私はヒマリって言います!」
可愛い、快活そうな女の子だ。
「お、おはようございます。
サ、サクラです。」
ちょっと根暗そうだが、清純派アイドルといった感じの女の子だ。
となると、リラはクールキャラになるし、いいバランスなのではないかな。
そうこうしていると、1人の太った男がやってきた。
「やあやあ諸君。
君たちが選りすぐりの3人かね。
さすがは精鋭、可愛いねえ。
僕はプロデューサーのトモキア、よろしく。」
トモキアだ。
トモキアは3人の新人アイドルを舐めるように見回した。
リラはその目線に対し、不愉快そうな顔をしている。
今すぐこいつを拷問部屋に連れていきたいところではあるが、ここで殺しては疑われるのは俺たちだ。
まだ殺しのタイミングではない。
トモキアは続ける。
「三つ葉パステルのリーダーはリラちゃんだ。いいね?
クールで冷静なお姉さんキャラだ。リーダーにはきみが適任だろう。
だからといって、センターが必ずリラちゃんというわけではない。
センターは毎回ランダムに変わるからね。」
センターは枕営業で勝ち取るスタイルなのだろうか。
こいつが何を考えているのかいまいちわからない。
「さて、まずはね。
歌とダンスのレッスンだ!」
トモキアがそう言うと、レッスンが始まった。
「まずはこれに着替えてね。」
渡されたのはへそ出しのダンス服だ。
リラたち3人はそれに着替えると、トモキアの目が光った。
「ヒマリちゃん、ちょっとおなかにお肉が付いているね。」
トモキアはヒマリの腹をㇺにッと掴んだ。
ヒマリは嫌そうな顔をするが、相手はプロデューサーだ。
それを口には出せない。
トモキアは続ける。
「ヒマリちゃんは僕と特別トレーニングだ。
しっかりスリムになってもらうよ。」
「はい。」
ヒマリは肯定することしかできない。
当然、トモキアはこの特別トレーニングとやらでセクハラをするつもりだろう。
すると、リラが声をあげた。
「ヒマリちゃんだけズルーい。
わたしもその特別トレーニング受けたいです!」
リラ、何を言う!
お前までセクハラの餌食になってしまうぞ!?
くそ、こうなったら・・・。
俺も声をあげた。
「う、うちのリラがそのトレーニングに行くのなら俺もそのトレーニング、見学させてもらおう。」
こうしなきゃリラとヒマリの2人ともセクハラの餌食だ。
見張りとしておれが必要だろう。
リラめ、俺がこう動くと予想して声をあげたな?
賢い女だ。
案の定、トモキアは悔しそうな顔をしている。
「マ、マネージャーさんは来なくてもけっこうですぞ?
私がしっかり2人の面倒を見ますので。」
エロジジイが!
どこまでも俺を排除したいらしい。
だが、そうはいかん。
リラには指一本触れさせん。
「いや。トモキアさんの申し出はありがたいのですが、俺も仕事なんで。
リラの面倒は俺がしっかり見なければなりません。」
「そ、そうですか・・・。」
トモキアは残念そうな顔をした。
「そうだ!僕がトレーニングを見るより、プロに頼んだほうがいいな、プロを呼ぶよ。」
トモキアめ。
セクハラできないとみるやいなや、トレーニングを他人にやらせるようだ。
なんというクズ。
こいつには死という名の罰がお似合いだ。
そうして、オリエンテーションとレッスンで今日の業務は終わった。
「まったく、今日は疲れた。
わたしにはレッスンなど必要ないというのに。」
たしかに、リラの歌とダンスはすでにプロ並み。
なんなら、レッスンをしている講師よりも上手いのではないか?
こうして、レッスンの日々が過ぎていった。
ヒマリとサクラは歌とダンスがおぼつかず、トモキアの過剰な説教が続いた。
「何をしておる!
そんなのではアイドルとしてはやっていけんな!
アイドルとして活躍したいならば、このトモキアのいうことは絶対聞け!」
「はい!」
ヒマリとサクラは完全に洗脳状態だ。
枕営業に行けと言われたら、行ってしまうだろう。
そして相変わらず、トモキアのスケジュールは一切つかめない。
すると、突然いつもと違う業務が舞い込んできた。
CM撮影だ。
清涼飲料水のコマーシャルに三つ葉パステルが抜擢されたらしい。
今日はその撮影日。
3人ののセリフは、「夏といったらこの1本!スカイミスト、新発売!」だ。
ヒマリとサクラはそんな少ないセリフでも何度もNGを出しては撮り直していた。
一方のリラは1発OK。
リラはほんとうになんでもこなすんだな。
そうして、実際に撮影したCMがテレビで放送された。
このCMは世間でも反響がすごく、誰だこのかわいいアイドルは!といった感じで、リラの知名度は爆発的に増えた。
「どうだ、自分の愛人がアイドルで超有名人の気分は?」
俺と自宅でCMを見ながら、リラが俺に声をかけた。
「あ、ああ。信じられない気分だ。」
すると、リラが着ていたシャツの胸元を広げ、誘惑してくる。
「ほら、テレビに映るこの美少女のおっぱいが目の前にあるのだぞ?
たまらんだろう?
これがお前のものなんだ。」
リラは俺の手をとり、胸を揉ませた。
俺の棒は一瞬でそそり立った。
リラはそれに気づく。
「ふふっ、興奮しているな、ジェイク。」
「お、おい。
最後まで責任取ってくれるんだろうな!?」
「責任?知らんな?」
リラはそう言うと、俺の手を胸から離させた。
俺はしぶしぶ、この前の写真撮影でもらった写真を使い自家発電するのであった・・・。
=== 作者あとがき ===
次回、サクラのおしっこ!
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