第12話 対面 バルタザール
ついに会長はバルタザールがいる学長室へ向かった。
俺は盗聴器で会話を聞きつつ、いつでも学長室に乗り込める体勢を取っている。
会長がバルタザールに犯されるなんてのは嫌だからな。
リラは会長室に誰も近づかないように見張りをしている。
すると、会長が学長室のドアを開けた。
ガチャっ
「失礼しますわ、学長。」
「おお、シャーロットではないか。
久しいのう。」
「その節はどうも。」
「で、何の用じゃ?」
「はい、実は・・・。
事故のため入院していてテストを受けることができず、卒業できないんです。
もう一度、手使徒を受けることは叶いませんか?」
「ほー、ほー。
生徒会長の頼みとあっては聞き届けてやりたいんじゃがの、わしはみなに平等じゃ。
そう簡単には聞いてやれんのう。
シャーロット君になにかできることはあるかの?」
「私に何ができるのかはわかりませんが・・・何でもします!
なので卒業させてください!」
「ほほう、言いよったな、『何でもする』と。
では、乳を揉ませなさい。」
言質(げんち)とった!
このセリフを世間にばらまけば、こいつの人生は終わる。
「そ、そんな、できません!
私の胸は、大事な人のためにあります!」
「ほほう、わしは大事な人ではないのか?
では、パンツを脱げい!」
「それもダメです!」
「卒業させてやらんぞ!!!
いいのか!!!」
すると、バルタザールは会長に襲い掛かった。
「きゃあああああああ!!!!」
その瞬間、俺が学長室に飛び入った。
バルタザールはぴたりと止まる。
「な、なんだね、君は!
ノックもせずに入ってきおって!」
「ジェ、ジェイクーーーー!!!」
会長が俺に抱きつく。
会長のたわわなおっぱいを感じる・・・。
横にいるリラから殺気を感じつつ、俺は会長のポケットにある盗聴器を取り出した。
「学長、俺はいまこの盗聴器であんたの声をすべて録音させてもらった。
あんたはもう終わりだ。
脅迫罪、強姦未遂でな。
あんたの他の罪もそのうちバレるぞ。
覚悟しておけ。」
「なに!?
盗聴しおって!
これはプライバシーの侵害であるぞ!!!
いますぐにその盗聴器を私に貸しなさい!」
「なにがプライバシーの侵害だ、この強姦男め!
盗聴器を渡すわけなかろう。
まあ、この後で他の罪を認めて自首するなら返してやってもいいぜ。」
「ぐぬぬ・・・。
わ、わかった、他の罪も認め自首しよう。
だからそれを渡しなさい!」
リラが口をはさむ。
「ジェイク!
こいつはウソをついているな。
自首する気などさらさらない。」
「ああ、ウソでも問題ない。
今のこいつの自首宣言も録音済みだ。
これでお前は罪を暴かれ、すべての財産を失うだろうな。
はははは。」
「貴様ーーーー!!!」
なんと、バルタザールは傍にあった花瓶を叩き割り、その破片を拾った。
そして、会長の首元にその破片を突き付けた。
「お前、その盗聴器を返さねば、俺はこの生徒会長を殺すぞい。
さあ、どうする?」
こうなっては仕方ない。
一時的に拷問部屋を償還するしかあるまい。
俺は心の中で叫んだ。
『拷問はじめ!』
バルタザールが拷問部屋を見渡している。
「なんだここは!?」
その一瞬、俺は金属バットでバルタザールの脳天をかち割った。
「うっ!!!」
バルタザールは一瞬で気絶したので、俺は拷問部屋を解いた。
シャーロットを人質にした件も録音済み。
こいつは本当に終わりだろう。
さて、俺はシャーロットを助けに行った。
「急に学長が頭から血を流して倒れましたわ!」
「ああ、俺が高速パンチで気絶させました。」
拷問部屋のことを馬鹿正直には言えない。
「あらまあ、すごい腕前だこと。
助かりましたわ、ジェイク!」
「会長は俺が守るっていったじゃないですか、当然のことをしたまでですよ。」
「ありがとう! ぽっ///」
こうして、俺は無事バルタザールの悪事を録音し、会長も助けた。
俺たちは会長を生徒会室に送り届け、部屋を後にしようとすると、会長が俺に声をかけた。
「ちょっと、ジェイクにだけ話があります。
ジェイクは残ってください。」
会長がそう言うので、リラだけが部屋を出ていった。
「あのですね、先日のあなたの告白の件で話があります。」
あっ、そういえば・・・。
その場しのぎの告白をしてしまっていたんだった。
「あなたの告白、お受けいたしますわ!
あなたに命を救われ、私、恋に落ちたみたい!」
えええーーー!
まじ!?
オーケーなの!?
俺、生徒会長と付き合うことになっちゃったよ!?
でも、嬉しい誤算か。
「そ、それはありがとうございます。」
「でね、この前は酔った勢いで、友好のキスをしましたが、今度は愛のキスをしますわ、ジェイク。
目を閉じてくださいまし。」
俺は目を閉じた。
友好のキスと愛のキスってどう違うの!?
俺、会長の母国のキス文化とか知りませんよ!?
そうこう考えていると、会長の吐息が近づき、俺の唇にまで届く。
そっと唇が重なった。
と思ったら、唇を重ねたまま、会長が顔を左右に動かす。
互いを求めあうような熱いキスだ。
何秒間キスしているのだろう、息をするのも忘れてしまっていた。
息がもたなくなったころ、会長がそっと唇を離した。
名残惜しい気持ちを抑えつつ、俺は目を開けた。
「ふふ、どうでしたか?
私の愛のキス。」
「え、ええ。それはもう最高でした。」
「うふふ、よかったわ!」
「この続きは、もっと仲良くなってからですわ!」
この続きって何だろう、ぐへへへ。
そうして俺は部屋を後にした。
すると、リラが待っていた。
リラは俺の顔を見た途端、俺の思考を読んだのだろう、怒りがこみあげてくる様子だ。
「おいジェイク。
会長との熱いキス、随分堪能したようじゃないか。
仮ではあるが、付き合ってもいるのだな。
お前は永遠にわたしといっしょなのだ、他の女にデレデレするでない!」
リラはそう言うと、俺の唇を奪った。
俺はあっけにとられていた。
一瞬だが柔らかい唇だった・・・。
「今はこれくらいで我慢しろ。
時が来ればもっと気持ちいいことをさせてやる。」
「前も言っていたが、『時が来たら』ってなんだよ!」
「まあ、今は待て。
そのうちわかる。」
会長のお姉さんな感じもいいし、リラのミステリアスな感じもたまらん。
両方、嫁にできねえもんかなあと悩む俺であった。
=== 作者あとがき ===
次回、バルタザールを拷問!
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