第6話 罠の謎を解き明かす

プレイヤーキラーを倒し、マッドハウスが収束した後も、ユウたちの心には警戒心が残っていた。この迷宮には、まだ多くの謎が隠されていることを確信していたからだ。特に、彼らが利用した罠――その仕掛けに何か特別な意味があるように思えた。


「この罠、ただの仕掛けとは思えないわ」リナがふと呟いた。彼女は罠の発動によって崩れた床をじっと見つめていた。


「確かに……この罠、相手を倒すだけじゃなく、迷宮全体に何か影響を与えているような気がする」カイも慎重にその場に膝をつき、壁に触れてみた。壁の表面には微かな振動が残っており、罠が発動した時に何かが作動したことを示していた。


「この迷宮は、単に罠を仕掛けているわけじゃない。この罠が他の仕掛けや迷宮の秘密に繋がっているんだろう」ユウは冷静に状況を分析しながら言った。


「じゃあ、もっと調べてみる価値はあるってことね?」リナが期待の込められた目でユウに問いかけた。


「その通りだ。ここで手に入れた手掛かりが、迷宮の全体像を解明する鍵になるかもしれない」ユウは頷き、仲間たちに罠の仕組みをさらに調べるように指示を出した。


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ユウたちは罠の周囲を慎重に調べ始めた。カイは崩れた床の隙間を覗き込み、リナは壁や天井の構造を確認していた。一方でゼンは、手元にあった古代の文献を再度確認し、罠の設計に関する情報を探していた。


「この仕掛け、どうやら単純な落とし穴じゃなさそうだな」カイが小さく呟いた。「床下に見えるのは、何かの動力装置の一部かもしれない。動力が何かを作動させている……」


「それに、ここに書かれている文字……古代の言語で何かが記されているわ」リナは壁に掘り込まれた古い碑文を指さした。「ゼン、これが読める?」


ゼンはその言葉に応じて近づき、壁の文字を読み解き始めた。目を細め、慎重に一文字一文字を追いながら、何か重大な情報に気づいたように顔を上げた。


「この罠……いや、この迷宮全体は、一つの大きなシステムで繋がっている。ここにある碑文には、迷宮の中央にある“世界樹の根”へと繋がる仕掛けが記されているようだ。つまり、この罠はただ敵を倒すためのものじゃなく、迷宮全体を制御する鍵の一つなんだ」


「それってどういうことだ?」カイが驚いた表情でゼンを見つめた。


「簡単に言うと、この罠や仕掛けが迷宮の中心部、世界樹の根に何らかの影響を与えているということだ。この迷宮は、世界樹そのものと深く関わっていて、その力を引き出すための構造が組み込まれている。つまり、罠の発動がこの迷宮の深奥に繋がる手掛かりなんだ」


「なるほど……だから、罠の仕掛けを解明すれば、この迷宮の全体像を把握できるかもしれないわけね」リナが理解を示しながら頷いた。


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「ということは、これからは単純に進むだけじゃなく、迷宮内の仕掛けや罠を意識的に操作する必要があるってことか」ユウは決断を下し、罠の動作をさらに調べることを提案した。「ここに隠された動力や仕掛けをうまく利用すれば、迷宮の奥へ安全に進むための道が開けるかもしれない」


カイはさらに罠の下に手を入れ、隠れていた石のレバーを発見した。「これか? このレバーを引くと、次の仕掛けが作動するんじゃないか?」


「慎重に扱えよ、カイ。ここは何が起こるか分からないからな」ゼンが警告を発する。


「分かってるって」カイは微笑みながらも緊張感を持ってレバーに手をかけ、ゆっくりと引いた。


すると、迷宮の壁全体が微かに震え、遠くの方から低い音が響き渡った。それはまるで、迷宮全体が反応しているかのようだった。


「この音……次の仕掛けが開いたようだな」ユウが周囲の変化を感じ取り、先へ進む決意を固めた。「これで、迷宮の次の段階に進めるだろう。行こう」


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ユウたちは罠の周囲を確認し終えると、その場を離れ、次の仕掛けへと向かう準備を整えた。迷宮はさらに深い謎を隠しているが、彼らはその鍵を少しずつ解き明かしつつあった。


「これからが本番だな」カイが剣を握り直し、準備を整えた。


「そうだな。ここからが本当の試練だ」ユウは静かに頷き、迷宮の奥へと目を向けた。

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