第7話 ともだちハウス

https://kakuyomu.jp/works/16818093073085697158/episodes/16818093073086607642


 ハートフルにめっぽう冷たい私が、ハートフルに挑戦している話。まだ二話しかない。


 全くもって腰が重い。ハートフルを書くのは本来向いていないのだろう。


 なのにわざわざここに持ってきた理由は、ぬりや様のこおろぎ作品の結として、”何も劇的なことは起こっていないけど問題が解消される”……というのが、ともだちハウスで書きたいことだなと気づきまして。

そういう話が出る機会に恵まれて良かったな、と。


 小説だから転がはっきりしないと娯楽として成り立たないと思うのですが、現実や生活はそうでなく。それで良いと思うのです。その辺りはアリスと同じかな。


 私の中で、ハートフルに腰が重いのは、「なんでそれが温かいの?」ってことに対してちゃんと組みたいからだと思っているからだと思う。


 怖い話やドキドキする話は、なんとなくみんな同じかなと思って。でもハートフルって、その登場人物に対する信頼感がないと……と思ってましてね。人物像の練り方はベストを尽くせるのですが、表現の仕方ですね。


 主人公の内面もベストは尽くせるのですが、「なぜそう思ったのか」「どう変化するのか」を書くのに時間がかかる。言葉のやりとりの往復で簡単に人が変わるってことを書きたいんじゃなくて、生きていること自体に励まされていくことを書きたいのです。


 生きていることが現象にとどまるアリス。

 生きていることが辛いなら、いっそみんなで愛と平和だけの世界を目指しましょうという自然の摂理を超えた虚構に狂気的に突っ込んでいくのが飼育。

 生きていること自体の躍動を書きたいのがともだちハウス。


 生き生きとしてるけど小さいんだ。それに、間をおかず、同時に起こり、言外に大事なことがある。


 あと、はじめににも書いたのですが、自分にとっては作品が出来上がること自体は嬉しいし読まれてありがたいなと思うのですが、喜びとしてはテーマに対して自分の態度と変化がどうであったかの観測のために作品を書いていて。


 テーマの答えを探してるんじゃなくて。答えならとっくに出てるんだけど、私が納得するかであって、自分が体験するかであって、自分の言葉にできるかであって、そのために過程が必要で、その過程がたまたま誰かのためにもなるかもしれないという感じ。


 

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