第3話
「一応、聞いておこうか。井上。事件の日、どこにいた。」
井上は、少し立ち止まった。同じ捜査チームの一員からかけられた声だ。
「もう一度言うか? 事件の日、どこにいた。」
「はぁ、それに何の意味が…」
「確認されたんだよ。お前の動機が。」
井上は、怖くなった。神妙に、あたかも全て知っているかのように。全てが捜査のための技術だとわかっていても。
「………」
「それは、肯定の意味でいいのか?」
「い、いえ・・・ 私は、やっていません。」
「誰もおまえがやったとは言っていないぞ。」
「な・・・」
「連れて行け!」
周りの刑事たちが、彼を捕まえていく。
「井上、おまえは取り調べでこう言ったそうだな。」
少しためてから、彼は言った。
「犯人は、皆、そう言うんですよ。」
次の更新予定
2024年9月27日 17:00
太陽は、黒く染まる。 灯火(とうか)@チーム海さん @UMIsandayo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。太陽は、黒く染まる。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます