第4話イサんちゃん

イサんちゃんは、両親がそう呼んでいたが、僕はイサムおじさんと呼んでいた。

イサムおじさんは、兎に角焼酎が大好きで、酔っ払うと面白い人だった。

畜産と農業を営んでいた。

イサムおじさんと飲む日が到来すると、色んな話しをしながら飲んだ。

28歳の時、ちょっと一緒にしょんべんしようと言われた。

しょんべんしようは、話しがあると言う意味だ。

「お前が、こっち帰って来ないと、羽弦家は無くなるぞ!」

と、言った。

イサムおじさんには、先見性があった。

ただの酔っぱらいでは無い。


高校生までは、九州で過ごしたがそれ以降はほとんど県外。

21の時と35の時には一時期帰郷して仕事を探したが無かった。

イサムおじさんは、僕の病気の事を知ってからは、いつも心配していたそうだ。

そのおじさんが、脳の病気で倒れたのは2年前。

そして、去年80代で亡くなった。

面白い人だった。そして、羽弦家の心配を一番してくれた人でもある。

あなたに、酒呑み極意を教えてもらいました。

ありがとうございました。


安らかに。

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