第1章 -3話- 『暴虐の世界より』

その日の朝は、宿舎の部屋の木製扉をコツコツと叩く音で目を醒ました。


「教官、お目覚めでしょうか?」


ガラス窓の向こうから差し込む陽光は未だ薄白く、夜が明けてそれほど時を経ていない早朝であるということを教えてくれていた。


「……、あ、あぁ…、どうした?」


時計なんて高級品は生憎と持ち合わせがないため、詳細な時刻までは把握しきれていないが、おおよそ7時前といったところか?

未だ寝惚け気味の脳を、頬にばしっと平手を軽くぶち込むことで強引に覚醒させながら、固い木製のベッドから身を起こしていく。


「ファーレンスさんからの伝言です。ええっと…、扉越しでの連絡でもよろしいでしょうか?」


この声は確か、ノールド訓練兵か?

昨日の対人訓練では俺への恨み言を吐き続けながらも、結局は真剣に取り組んでいた。

俺に対して言いたいことは一つや二つじゃ収まらないはずであろうに、しかしながら、扉越しのその声色からは不満げな様子は感じられず、しっかりと己の業務を全うしようとしているよう見受けられる。

すげえな。俺には真似できねぇよ。


「ああ、許可する。内容は?」


「はい!日中、北街区の再開発地域のリスポーンポイントにて、待ち合わせしたいとのことです!」


「ん…、それだけか?」


「はい!」


北街区…、ってことは先日の暴動絡みの件か。

あいつらはレベルが低いが故に人的被害こそ出ることはないが、その代わりに周囲の建物に当たり散らして破壊して回るから、よりタチが悪い。

言い方は良くないかもしれないが、人間の身体はリスポーンすれば元に戻るが、壊された家屋を修復するのは、《カーペンター》(※建築系クラス)がそれなりに居ても尚、大変な大仕事なんだぞ。


「了解した…、伝言感謝する」


「はい……、あの、自分はこれで失礼してもよろしいでしょうか?」


「あ…っ、ノールドっ」


「はい?」


己の任を達して場を去ろうとするノールド訓練兵を、扉越しに思わず引き留めてしまう。

いや、何を話そうとしているんだ。

先日は強く当たり過ぎたとか、俺も言い過ぎだったとか、そういうことを言うべきだと、頭の片隅では考えていたのだけれど――


「……、いや、なんでもない。行っていいぞ」


「…?はい、了解…、しました」


どうにも、そういうことは俺の領分では無いらしい。

なかなかどうして、こういう時にどう口を開けばいいのか分からない。

そして、今更ながら――


『リーダーの方はパーティーの空気を和ませようと常に明るく振る舞ってくれていましたし』


そんな先日のアラン訓練兵の言葉が脳を掠めて、朝っぱらから鬱屈とした気持ちになってしまった。

今の部隊の空気が最悪なのは、身にしみて理解はしている。

けれども、だからと言ってどうするのが正解なのかも分からない。

移住よりも以前からずっと、一人部屋に籠もっての仕事ばかりの生活を送ってきた弊害が、ここにきて現れるとはな。


まぁ、幸いなことに、本日の訓練は休み。週1回の休養日だ。

部隊の連中も今日ぐらいは俺の顔を見ずに楽しく街をブラついているだろうし、だったら俺もこの1日ぐらいはゆっくりと羽を伸ばして、このどんよりとした気持ちを少しでも晴れ渡らせてもいいのかもしれないな。


「ファーレンスは…、確か、日中…、と言っていたか?」


にしても、連絡事項は出来る限り直接伝えるようにしていたあの男が、今日に限って伝言のみで済ませるなんて、昨日の会議の件で余程切羽詰まっていると見える。


「……、あぁ、そうだったな――」


ゆっくりと羽を伸ばすなんて、何を馬鹿なことを言っているんだ、俺。

ファーレンスだけじゃない。己の立場すら危うい状況なんだぞ。


「《Brave Knights》…、既に受け入れが決定したということは、一部のメンバーがこの街に居着いていても不思議ではないが……」


このまま部屋に籠もって頭を悩ませていても埒が明かない。

ひとつ探りを入れてみるか。






聞き取り調査なんて上等な技能は持ち合わせていなかったため、ほぼ直感のみで中央市街のこの場所へと赴いたのだが、そんな今日の俺の勘はなかなかに冴えているらしい。


「ドンピシャか」


中央街区の中でもそれなりに豪勢な宿屋(※尤もNPCが既に殺されているため宿屋としては機能していないが)、その周辺の区画一帯に、堂々と翡翠色のエンブレムをあしらったフラッグが立ち並んでいた。

うろ覚えではあるが、《Brave Knights》のもので間違いないだろう。


おいおい。

仮にもギルドの連中を嫌っている人間が山ほどいるこのはじまりの街のど真ん中で、堂々とその所在をアピールしていてもいいのか?


「人数は……、そこまで居るようには見えないが」


少し前までは盛況に賑わっていたこの区画も、こいつらに占拠された影響か、すっかりと閑静な街並みへと様変わりしていた。

宿屋のテラス席で10人程の人間が談笑している他は、隣の廃屋の前に4~5人いる程度――


「いや、あれは……」


この距離からの低レベルの遠見スキルだとぼんやりとしか見えないが、廃屋の前にいる人間の様子は、テラス席で馬鹿のように笑い合っている人間たちのものとはまた大きく違っていた。


「NPC……、か」


その5人の両腕は縄できつく絞められており、廃屋の前の壁に晒し者のように括り付けられていた。

プレイヤー相手にこんなことをすれば、さすがの機関(VWPA)といえど擁護出来ない程の事件へと発展してしまうが、彼らの頭の上のマーカーは緑。

NPCであることを示す緑色だった。


「いや、にしてもだ――」


ひでえことしやがる。

生命が宿った存在ではないとはいえ、仮にも人間の姿形をしているんだぞ。

良心の呵責に苛まれたりはしないのか?


「それに――」


そもそも、NPCを粗雑に扱うこと自体があまりにも非効率な行為だ。

彼らも、人間のプレイヤーと同じように働き、食事し、就寝する。

当然、そのための食い扶持や住居を用意しなければならないが、しかし、プレイヤーが所持していないような生活系スキルを多く所持しており、その上、そこらの人間よりも熱心な働き者だ。

実際、最前線のギルドは、彼らにも一定の生存権を与えた上で効率的に運用することで、建築や農耕の面で機関(VWPA)とは比べようが無いほどに進展している。


「所詮、こいつらもこの程度ってことか――」


情報の有無は、MMORPG系のこの世界において――いや、それに限らず、あらゆる世界で戦っていく上での、最大の武器だ。

NPCにも友好度や敵対度というパラメータが存在して、それに応じてプレイヤーに対する協力関係の度合いも変わってくるなんてこと、こいつらは知る由も無いんだろうな。


「しかし、こうまで人気が無いと、な」


出来れば、人混みに紛れて近づいて、奴らの会話の一つや二つでも盗み聞き出来ないか、そこから何か有力な情報でも得られないかと画策していたのだけれど、こんな人通り皆無な状況でおいそれと近づいていってしまえば、その場で戦闘すら起きかねない。


「聴力UPなんてエクストラスキル、あればよかったんだがな――」


探せば世界のどこかに眠っているのかもしれないが、少なくとも俺は所持していないし、その存在を耳にしたこともない。


「今日のところは、ここまでか――」


それなりに離れた位置にある廃屋の瓦礫の隙間から覗き見ているとはいえ、向こうにも俺と同様か、それ以上の遠見スキル持ちが居ればアウトだ。

それに、今のところは他のプレイヤーの気配は感じられないが、まさかあそこにいる数人だけでこの街に来ている、なんてことはあり得まい。

万が一にも発見されてしまう前に、ひとまず退散するか。


「それにしても――」


この街で野良のNPCなんて久しぶりに見た気がする。

冒険者協会やクラスギルドのようなNPC運営の一部施設でくらいなら、今でもその緑のマーカーを見掛けることも出来るが、それ以外の場所を歩いているNPCなんてその大半が殺し尽くされてしまっているからな。


ちなみに、マーカーの色は全部で3つ存在し、NPCであることを示す緑色、友好的プレイヤーであることを示す青色、敵対的プレイヤーであることを示す赤色のマーカーが、それぞれ各プレイヤー(及びNPC)の頭上に表示されている。


青色(友好的プレイヤー)と赤色(敵対的プレイヤー)の切り替わりは至ってシンプルで、セーフティ機能(※プレイヤーキル阻止機能)をONにしていれば、自分から見える全てのプレイヤーが青色マーカー、OFFにしていれば赤色マーカーになる。

このセーフティ機能がONの状態、つまり、青色マーカーのプレイヤーに対して攻撃を行っても、ダメージや痛覚、ノックバックなどの副次的効果すらも発生しない仕様〈システムブロック〉となっていて、これによって乱戦状態でのフレンドリーファイア(※味方誤射のこと)を防ぐことが出来るようになっている。


ただし、それはあくまでも機能の一部に過ぎない。


まずは、当然ではあるが、(こちらから見て)青色マーカー表示のプレイヤーから攻撃された場合、その表示マーカーは青色から赤色へと変色する。

逆に言えば、一度でも攻撃されない限りは、全てのプレイヤーが青色マーカーで表示されてしまうため、”そのための対策を講じていない場合は”悪意を持ったプレイヤーを見極めるのが非常に難しくなる。


そして、その対策こそが、赤色マーカー表示の個別設定と、その共有機能となる。

各個人において個別に設定を行うことで、セーフティ機能ON状態でも指定した対象を赤色マーカー――つまり攻撃可能対象にすることが出来るのだ。

さらには、その個別設定状況を周囲のプレイヤーと共有するシステム(NPCの運営する冒険者協会を通じて行える)も存在し、今この世界で実質的にその情報共有を統括してる組織こそがVWPA〈新世界生活保護機関〉だ。


このシステムこそが機関(VWPA)の活動を支える根幹の部分であり、50万人の機関所属プレイヤーをはじめ、ギルド含め世界中のプレイヤーへその情報を共有することで下される、この世界最大の重罰こそが《永久追放処分》。世界中全ての人間から赤色マーカーとして表示されるという、まさに人類社会からの絶対的放逐である。

《EXILE LIST》(追放者リスト)なんて仰々しいリストにその名を連ねられた人間は、全世界のプレイヤーから追われ、人としても扱われることもなく、この”死ねない”世界を永久に独りで彷徨い続けなければならない。

罰としては、これほど残酷なものもないだろう。


しかし、機関(VWPA)によって確立されたこのシステムのおかげで、殺人(PK)や略奪のハードルが極めて低いこのMMORPG的世界において、一定の秩序が保たれているのもまた事実だ。

誰しもが、未来永劫の罰を下されるのを恐れ、周囲との協調を常に考えて行動し、そして、他人の顔色ばかりを窺いながら生活する。

文明としては未だ未熟なこの世界において、それは人間社会を成り立たせる絶対的な秩序の番人として君臨しているというわけだ。


また、詳細までは正しく理解出来てはいないが、対象ギルド全員(同盟ギルドや傘下ギルドも含む)を赤色マーカー表示させることも可能らしく、おそらく近々起こるであろう人同士の争いにおいては、きっとこの機能を使わざるを得なくなるのだろう。


「なんて――」


赤色マーカーの集団との戦闘なんて、Lv40帯を戦い抜いた俺ですら、経験したくないけどな。

しかし、そのときを見据えて、覚悟だけはしておかなければならないだろう。


今回の《Brave Knights》の機関入りは、間違いなく他のギルドを刺激することになる。

”例の水源地”に最も近い街《ルクシオン》をあるギルドが制圧したことも含め、いずれそれらの勢力同士の争いが必ず起こるだろう。


「それじゃあ、この辺でお暇するとするか――」


今回得られた情報が役に立つかは分からないが、後でファーレンスの持つ情報とすり合わせてみよう。

今から北街区の再開発区域まで歩けば、到着した時にはちょうど日が天頂まで登り切っている頃であろうし、そろそろ今日の会合へと向かうか。


縄に繋がれたNPCの惨状には哀れみを感じたものの、それに若干尾を引かれつつも、俺は物静かな中央街区の一角から退散していた。






北街区へ向かう道中、やけに視線を向けられているような気がしたのは、やはり俺も疲労が溜まっているからなのかもしれないな。

昨晩も、次回の戦闘訓練のスケジュール組みに、部隊装備の確認と、ファーレンスとの会合の後も明け方近くまで仕事に明け暮れていた。


こういうときこそ休むべきだと何かの本で読んだ気もするけれど、こうまで立て続けに色んな事が起こっていると、寝床に潜り込んでもすぐに目が冴えてきてしまうだろう。


そんな、しゃきっとしない頭を何とか動かして、先程見た《Brave Knights》の面子の装備から、相手の戦力を割り出せないかと思索していると、気がつけば北街区のリスポーンポイントまで辿り着いていた。

リスポーンポイントのモニュメントに触れてセーブポイント登録を行いながら、辺りの様子を見渡してみる。


「しかし――」


半年ぶりにこの街に戻ってきた際には、あまり変わらないな――なんて感想を抱いたものの、一方で、ここの変わり様はひでえモンだな。

立ち並んでいた木造家屋は一つ残らず粉々の崩壊状態。

その残骸の撤去すら満足に行われずに、辺りには木片や石片が至る所に転がっている。


「再開発区域――なんて言ってはいたが……」


こんな廃墟地帯に再び活気を取り戻させるなんてこと、可能なのか?

《カーペンター》クラスなら、元の世界で一から建物を作るよりも簡単に、スキルを活用して家屋を組み立てていくことが可能とはいえど、こうまで荒れていると、それでも一筋縄にはいかないように思うが。


「暴動、か――」


結局、あいつらは何がやりたいのか、まるで理解に苦しむ。

家屋に当たり散らしたところで、腹が膨れるわけでも、喉の渇きが癒やされるわけでもないだろうに。

その有り余った体力を少しでもモンスター討伐や開拓にまわしてくれれば、自分たちだって少しは楽に暮らしていけるようになるとは思わないんだろうか。


「はぁ――」


なんて、恨み節を吐いていても仕方ないか。

どれだけ頭を捻ってみたとしても、物を破壊して回る狂乱者や、一日中何もせずに宙を見上げているだけの生きた屍どもの考えていることなんて、分かりようがないんだから。


そうやって、頭の中で蠢くアンニュイな気持ちを溜め息にして吐き出したところで、とある一団がこちらに向かってくるのが見えた。


「ん?あれは――」


遠見スキルを駆使して一団の先頭を歩く人間の顔を確かめてみると、ヤン、ノールド、ジュレム、ベルベティ、トルト……。

間違いない、俺の部隊の隊員達だった。


「…?今日は訓練の日では無かったはずだが……」


いや、そもそも、なんでこんな北街区のはずれにまでやって来てるんだ。

それに、その手や胴に携えられた物々しい装備の数々――これから遠征にでも行くつもりとでも言わんばかりの様子だった。


「まずいな…」


これでは、ファーレンスとの会合どころじゃなくなる。

いや、隊員達とは今後の行動において一蓮托生の協力関係を築いていかなければならないのだから、いずれ色々と話すことにはなるのだけれども、少なくとも今はまだその時ではない。


そんなこんなを考えているうちに、隊員達は俺の元へと集い、そして、いつもとは違った妙に緊張感を抱えた視線を、各々にこちらへと向けていた。


「おや?教官?こんな場所で逢えるなんて、奇遇ですね」


そして、その先頭に立って、いの一番に俺に話しかけてきたのは、アラン訓練兵だった。


「あ、あぁ、そうだな…」


それにしても、全隊員揃いも揃って、何の任務だろうか?

まさか、俺の頭を飛び越えて、上層部が直接部隊を動かしているなんてことはないだろうな?


「教官は…、どのような用件でこちらへ?」


「ん?あ、あぁ…、先日、またここで暴動があったそうじゃないか。その視察にな…」


「なるほど…、そうでありましたか」


まぁ、実際にこうやって視察もしているわけだから、嘘ではあるまい。


「そういうお前達は、何らかの任務か?それとも休日返上しての訓練か?だとしたら、なかなかに向上心が芽生えてきたようで、結構なことじゃないか」


しかし、教官の俺抜きで訓練っていうのも…、いや、俺のやり方に不満を覚えているこいつらなら、やりかねないことではあるか。


「訓練…?ふ、くくく…っ、あぁ、訓練ですか。えぇ…、あぁ、そうかもしれない、ですね。いや、うん、訓練…、そう、訓練ですよ…、ふ、くくくく…っ」


…?

なんだコイツ?

ここ最近あまりにも厳しく鍛え過ぎたせいで、頭のネジでも吹き飛んだのか?


「アラン…?」


そうやってしばらく、俯いたままクツクツと気味の悪い声で笑っていたかと思えば、ふっと顔を上げて、作ったような和やかな笑顔を見せてくるアラン。


「あ、いえ…っ、これは、失礼しました。教官様の前で取る態度ではなかったですね。僕としたことが、これはいけない…っ」


「いや、今日はオフだし、多少は構わんが…」


「いえいえいえいえっ!オフだとしてもっ、休日だとしてもっ、上下関係はきちんとしなければっ!世界がこんな状況だからこそっ、僕ら機関が先頭に立って、規律を正していかなければなりませんからねっ!?」


なんだんだ、コイツ?

さっきから情緒が微妙に定まっていないぞ。


「……?」


それに、後ろに控えている隊員達の様子に違和感を感じていたが、明らかに隊員では無い人間も混じっている?

人の顔と名前を覚えるのが苦手な俺でも、さすがにそれは判別出来た。

いや、それ以前に、なんだこの大人数は――


「――っ、ところで、教官?お一つよろしいでしょうか?」


「――っ!?な、なんだ?」


訓練だとすれば他のプレイヤーまで引き連れてくる必要は無いし、任務だとしてもここまでの大人数で、しかも武装した集団で、何をしようというのだろうか。


「例の件――、考えてくれましたかね?」


「例の…、件?」


何か嫌な予感がする。

それもこの上ない、何か…。


「あぁ~、うん…っ、パワーレベリング、の話ですよ?以前も具申致しましたでしょう?」


「ん…、あ、あぁ…、その話か」


上層部のギルド勢力受け入れという大胆な決定、それに伴っての周囲のきな臭い動き、このタイミングでのこの状況、何か…、何かが、起ころうとしているのかもしれない?


「その話は、以前にも却下しただろう。この世界でのパワーレベリングはそれほど効率的と言えるものでもないし、それに、レベルだけ上がっても、戦うための技能や部隊練度が伴っていなければ、意味がないと――」


「あぁっ!うんっ!そう…っ、そうでした!うん、うん…っ、本当に、教官の言う通りでした…っ!」


「…っ!?」


それに、アランのこの眼の血走り方、ちょっと尋常じゃないぞ?


「そうっ!そうなんですっ!教官の仰るとおりなんですっ!パワーレベリングなんて非効率的な手法ですしっ、それに、僕らはまだ、素人同然のひよっこ部隊なんですから…っ!」


「そ、そうか…。分かってもらえたなら、なによりだ…」


さらに、ここまで狂乱っぷりを露わにしているアランの様子を見ても、周囲の隊員達は黙って見ているだけ。

それがさらに気味の悪さを助長している。


「そうっ!本当に、そうなんですっ!そうなんですよっ!ふ、く、くくくく…っ、でも、ね…、教官?」


「…っ!?」


空を見上げて怪しげに嗤っていたかと思えば、突然、眼球をぐりんと回してこちらを見下ろしてくるアラン。

コイツ、本当に大丈夫なのか?


「それじゃあね…っ、ダメなんですよっ!?僕らは、この街の――いや、人類の、希望なんだ…っ、世界中の、人々の運命が…っ、僕らの肩には、のし掛かっているんですよ…っ!?」


どこかで耳にしたような台詞を、そいつよりも遙かに鬼気迫るような大声で声高に叫ぶアラン。

本当に、なんなんだ?


「だから…ッ!そうッ、だから…ッ!僕らは、こんなところで…ッ、足踏みしている場合じゃないんですよ…ッ!早く、レベルを上げて…ッ、早くッ、人々の為にならないと…ッ」


「お、おい…、アラン、大丈夫――」


「だからァ…ッ!!!」


「――ッ!?」


腹部に鋭い痛みが刺し込まれた途端、瞬時に今のこの状況を理解した。


「先程、機関はアナタへの《永久追放処分》を決定しました。人類史上初めての《EXILE LIST》入り、おめでとうございます、”テオ”さん?」


そして、今更この状況を理解出来たところで、もう半ば手遅れであることも理解した。


「うぐッ!?アアアアァァァァァァ――ッ!?」


そして、俺の腹に刺し込んだナイフをぐりぐりと捻じ回していくアランの表情には、これまでに見たこともないくらいの歪んだ笑みが張り付けられていて、その頭上の青いマーカーが、鈍い光を放つ赤色のマーカーへと変色していくのが見えた。


「パワーレベリングなんて――必要なかったのですよッ!?だって…ッ、皆で分け合っても尚余りあるほどの膨大な経験値の塊が…ッ、ここにはあるじゃないですか――ッ!?」


腹部の肌から内側の肉まで、鈍い痛みが回転するナイフに合わせてぐりぐりと走ってゆく。

それに伴う吐き気に頭と身体をよろめかせながらも、目の前の狂人のその赤く血走った眼を睨み返す。


「う、ぐ…ッ!?き、さま…ッ!?」


低レベルの素人に、この俺がPvPで敗れると思うなよッ!?

その気持ち悪いニヤケ面を、今打ち砕いてや――


「が、はッ!?」


鞘に手を回そうとしたその瞬間、左右の肩口に新たな激痛が走り、その衝撃で再びよろめいてしまう。


「…ッ!?きさま、ら…ッ!?」


そして、後ろを振り返れば、ロックスとレグ、《ランサー》クラスの2人組が、その槍を俺の肩へと突き立てていた。


「ぐ、は…ッ!?」


なる、ほど…。

俺への対策もばっちりってことか。

少しは、見所あるじゃねえか、なんて、こんな状況にも関わらず、不思議と笑みまで浮かべてしまう。


「…?まだ笑うような余裕があるみたいですね。じゃあ、まぁ…、油断してかかっていい相手ではありませんし、さっさと――」


「ぐ、ァ…ッ!?」


「トドメを刺しておきましょうか」


そうして、腹部に刺し込んだナイフを引き抜くと、間髪入れずに今度は心臓目がけて刃先を突き立てていくアラン。


「――ッ!?え?これでも、死なない…?やっぱり、僕のSTR値じゃ、心臓を突き刺しても、ダメみたいですね…」


反撃だ。

とにかく反撃だ。

こいつらのHPは大したことがない。俺の一撃で軽く”殺す”ことが可能だ。

だから、剣を――


「ランサー隊ッ!一気に串刺しにしろッ!死ぬまで、刺し続けろッ!」


「ぐッ、が――ッ!?」


痛みが走り続ける腕になんとか力を込め、鞘に手を伸ばしたその瞬間、さらに複数の痛みが身体中に突き刺さっていき、同時に大量の血液が喉の奥から噴き出してくる。


「ふぅ…っ、危ない危ない…。けれど、ここまで効果的だとは思いもしませんでしたよ。17支部のゲーマー集団の知識も、少しは役に立つこともあるのですね」


舌の上を流れていくドス黒い血の味に顔をしかめながら、身体中を襲う激痛に耐え必死に脳をフル回転させていく。

痛みだけなら、クリムゾンウルフの牙の方が何倍もヤバイ。

ただ、これは、だいぶマズイ状況だ…。


「う、ァ…ッ」


おそらく、腱をやられた。

利き腕がまるで動かない。

これじゃあ剣を握ることも、手に取ることすらも出来ない。


「これも…、さっさと回収しておきましょうかね――」


そして、とうとう頼みの綱の剣までもが鞘から引き抜かれ、アランの手の元へと渡ってしまう。


「ぐッ!?がァァァァ――ッ!?」


再び全身を槍で串刺しにされながらも、何か打開策が無いかと必死に頭を動かしていく。

剣がダメなら殴打系のエクストラスキルで――くそっ、腕も足もまるで動きやしねぇ。


「がッ!?アァァァァ…ッ!?」


何度も身体中を滅多刺しにされながらも、それでもこの状況を打破する手立てを探っていく。

助けを呼ぶか?いや、こんな廃墟に人が通るわけがねぇ。それも見越して此処へと誘い込んだというわけか。


「ぶッ、ぐ、お、ォォォ――ッ」


体内の臓器をぐちゃぐちゃに掻き回されながら、なんとか――なんとか出来ないかと、必死に――、う…ッ、頭が…。

逃げ、る?可能、か?俺の、AGI値なら、こいつらも…、追いつけな――


「が――ッ」


そうやって最後の手段を導き出したところで、無情にもHPが0となり、目に見える世界の全てが黒い闇の中へと沈んでいった。


くそっ、なんで、こんな素人なんかに、俺が。

殺してやる。復讐してやる。受けた痛みと屈辱、その全てを、何倍、何十倍にして、貴様らのその身体を、斬り刻んでやる。


そう心に決めて、リスポーンポイントの前で目を開いた瞬間――


「おかえりなさい、”教官”。では、2回戦といきましょうか?」


頭の中は瞬時に寒気と絶望で埋め尽くされてしまっていた。






「す、すげぇ…っ!?これで、おれ、レベル18だ…っ!?ははっ、すげぇ…っ、すげぇ…っ」


「おれなんて、21になったぞ…っ!?これで、最前線にいける…っ!こんな、簡単に…っ、最前線にいけるような、レベルにまで、上がったぞ…っ!?」


もう何時間、滅多刺しにされ続けているのか、分からない…。


「ハハっ!?ハハハっ!?こんな簡単に、レベル上がるんなら…っ、狩りとか、訓練とか、いらねえじゃんっ!?ハハっ!?ハハハっ!?」


「こんな…ッ、動かない、死に損ない…ッ、ぶっ叩いてるだけで…ッ、こんなすげぇ経験値貰えるとか…ッ、最高過ぎるだろ…ッ!?」


痛みで脳を壊され、屈辱感で脳を焼き切れさせても、それでも尚、次々と刃が身体に突き刺されていく。

何度も、何度も、何度も――


「へへっ、へへへ…っ、これで、おれ達も、機関の、エリートだぞっ!?もう、イモだらけの、貧困生活とは、おさらばだ…っ!」


「エリートなんて、それどころじゃ…っ、ないだろっ!?今の幹部よりも、既にレベルが上なんだ…っ、これからは…っ、おれたちが、幹部なんだよ…っ」


痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い。

Lv40帯の地獄と、比べれば、こんな街、天国だと、思ってた、はず、なのに、

痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い。


「う、わ…っ、また、レベル上がったぞ…っ、これ、やめらんねぇ…っ、やめらんねえよ、こんなの…ッ!?」


「おい、ちょっと代われッ!STR50越えたから、試し打ち…ッ、うっひゃあ…ッ、一発で死にやがった…ッ!?」


やめ、てくれ…。

その経験値は、俺が、何度も死ぬような思いをして…ッ、数々の痛みと共に、何度も無残な死を迎えながらも、必死に、懸命に、溜め込んできた――


「なァ、分かったよ!こう、こうやって…ッ、ほらッ!?脳みそぶっ潰せば、一発でお手軽に経験値吐き出してくれるぞッ!?」


「え?おい、ちょっと…っ、それ、おれにもやらせてくれよ…っ、ふっ、お…ッ、は、ハハハ…ッ、なに、これ…ッ、気持ちいいいいい――ッ」


1年間、数々の痛みと、数々の死線を乗り越えて、そして、数々の努力の末に獲得してきた経験値を、なんで、こんな――ッ、素人連中なんかに、喰い取られなきゃならないんだ――ッ!?


「おい、お前ら、いい加減、代われって――ッ!?ちょっと、長過ぎだぞッ!?」


「いいじゃねえか、もうちょっとやらせてくれよ、っとォォォ…ッ、おほおおおッ、気持ちいいいいい――ッ!?」


もう、やめてくれ。

もう、もう、やめてくれ――


「あぁ~ん?やめてくれだァァ?やめるわけ、ねぇだろが、よォ…ッ!?」


「なァ、教官さんよォ?アンタはもう、永久追放された、犯罪者なんだよ…ッ!?その辺、弁えて…ッ、くれませんかね、って、ぷハハ、死んじゃったわ…ッ」


痛いんだよ、苦しいんだよ、こんなの、耐えきれないんだよ。

だから、もう、やめて、くれ――


「あァァァ――ッ、まァた泣きべそかき始めちまったよォ…ッ、そんなんでッ、許すわけッ、ないでしょうが…ッ!?」


「アンタがさァ…、ギルドとおれ達の間を引き裂いちゃったからさァ、たーくさんの人が迷惑してるってェ、わかんねェのか、ね…ッ!?」


痛い、痛い、痛い、痛い。やめてくれ、やめてくれよ――

あんた達も、同じ人間だろう?だったら、これがどんなに惨い仕打ちか、分かってくれるだろう?


「それによォ――、聞いたぜェ?アンタさァ、あの《Sword of Legend》に所属してたクズだって話じゃねェか!?そんな奴がァ、この街でェ…ッ、偉そうな顔してんじゃねェよッ!?」


「アンタがやったことでさァ…ッ、おれたち街の善良な市民がさァ…ッ、どれだけ迷惑被ったのか、分かってんのかッ!?あァン――ッ!?」


分かった、分かったから、もうしない、もうしないから。

謝るから、この通り、悪かったから、もう、許して、くれよ。


「はァァァ――ッ!?悪いことしたらッ、ゴメンナサイだろうが――ッ、この、グズが…ッ!?」


「最前線のゲーマーさん達はァ、そォんな常識も知らないんですかねェ…ッ!?」


ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。


「あァァァン――ッ!?聞こえねェ、なッ!?ぷ、ハハ…ッ、まァ、死んでる最中じゃ、口も開けねェか!」


「あァと、1000回ゴメンナサイ言えたらァ、許しちゃおっかなァ!?」


ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさ――、痛いッ!?痛いッ!?


「あァァ、途中で叫んじゃダメじゃないのォ…っ、こりゃ、まァた、やり直しかなァ?」


「ほォら、ちゃァんと、街中の皆様に聞こえるようにィ、大きな声で謝ってくださいよォ、教官サンよォ…ッ」


あぁ、もう、本当に、ゆるして、くれよ…。

何度も、何度だって、謝るからさ。

こんな、死ぬことも出来ずに、苦しみ続けるなんて、耐えきれない、よ…。


「ほォら、早くゥ、謝ってくださァい?戦争なんて起こそうとした、大罪人さァん?」


「ほらよ…ッ、さっさと、ゴメンナサイ言えって、じゃねェと、痛いの…っ、ハハ…ッ、止まんねェよ…ッ!?」


だから、もう、いっそのこと――


「オラオラオラ――ッ、もっと泣けッ!?ほら、もっと、無様に…ッ、泣いてみせろよ…ッ!?」


「ぷ、ハハハハ――ッ、あァの鬼みたいな教官さんがァ、こォんな涙と鼻水ぐちゃぐちゃに垂れ流して、オモシロ過ぎだろ、こんなの――ッ」


”本当に”殺して、くれ――






「――――ッ!?」


全身を鋭い痛みが駆け抜けた瞬間、閉ざし込まれていた瞼がぐわっと押し開いた。


「ア…ッ、が――ッ!?」


瞬時、眼球を刃物で切り刻まれる痛みに呻いて、瞼越しに手のひらを被せ、その痛みに堪えるように身体を丸めてしまう。


「は、ァ――っ、は、ぁ…ッ」


目はしっかり、残ってる。

身体も、五体満足で、残ってる。


「ぐ、あ…ッ、は、ァ――ッ」


ただ、身体のあらゆる部位を串刺しにされる痛みは、今も脳の中で鮮明に蠢いていて――


「お、ェェェェ――ッ」


その尋常じゃない苦しみに激しく嘔吐いてしまう。


「ァ、ァ…っ、ァ、ァ――ッ」


口元から垂れ落ちる涎や鼻水を拭い取ることすらせずに、周囲の状況に目をやる。


「ハ、ァ――っ、はぁ、はぁ…ッ、ァ――ッ」


連中は俺を殺し続けることに疲れ果てたのか、一人残らず高いびきをかいて地面に倒れ込んでいる。


「ァ――、ぐ、ァ…ッ、」


逃げ、ないと――


「ァ――、ァ――」


早く、逃げ、ないと――


「ぐ、ゥ…ッ、が、ァ――」


ガタガタに震える身体へと必死に力を振り絞って、なんとか地面の上に両足を付ける。


「あ、ァ――、が、ぐ、ぐ――ッ」


そうして、俺は地獄のようなその場から、逃げ惑う子ウサギのように走り去っていった。




「逃げ、ないと――っ」


夜明け前の薄藍色の空の下、俺は土と草の香り渦巻く平原の中をただ一人、何度も無様に転びながらも、ひたすらに走りづけていた。


「逃げ、ないと――っ」


東の空にはうっすらと光が差し込まれ、徐々に平原をその夜闇から解き放っていこうとしている。

あの光に照らされてしまえば、また奴らが追いかけてくる。そうなる前に、逃げないと、逃げないと――


「あ、ぐ、ゥ――ッ」


心臓を槍先で引きずり出される痛みを思い出して嘔吐きながらも、ただひたすらに前へ前へと、土と草の上を走り続けていく。


「逃げ、ないと――っ」


でも、いったいどこへ?

いったい、どこへ、逃げればいいんだ?


「逃げ、ないと――っ」


アランは、俺が《永久追放処分》されていると言っていた。

その情報はいったいどこまで共有されている?

隣街?いや、それよりもっと――最前線のプレイヤーまで行き届いているとすれば――


「ぐ、ゥ――ッ」


いったい、どこまで、逃げれば――


「――ッ!?」


そのとき、前方を急に横切る影を捉えて、思わず足をもつれさせて倒れ込んでしまう。


「ぐ、ふ…ッ!?」


くそっ、いったい何――、え?もしかして、既に追っ手が来て――


「あ、ァ――、ご、ごめ、んなさい…ッ!ごめんなさいッ!ごめんなさいッ!」


そう思った途端、まるで癖になってしまったかのように謝罪の言葉を連呼してしまう。


「ごめんなさいッ!ごめんなさいッ!ごめんなさ――、ァ?」


しかし、そんな俺の情けない姿を立ち止まって見ていたのは――


「――、な、なんだ…っ、デカネズミかよ――」


この辺りの平原を徘徊するモンスター《ヴァイオレントマウス》だった。


「くそっ、驚かすなよ…っ」


しかも、デカネズミって。レオナルドの馬鹿じゃあるまいし。

こんな雑魚モンスター相手に何を焦っているんだよ、俺は。


「コイツ…ッ、殺してやる――っ」


その瞬間、頭の裏辺りからチリチリと焼け付くような音がした気がして、その”デカネズミ”に対して構えを取っていく。


「俺は、こんなところで、立ち止まっているわけには…ッ、いかねぇんだッ!?」


こんなネズミ、Lv40帯のモンスター達、さらには、あの地獄なんかに比べれば、楽勝なんだ。

だから、貴様、さっさと道を開け――


「え――っ?」


そうして、自身のステータスをちらりと流し見たとき、そこに記された情報を見て愕然とした。


Name:テオ

Class:None

PlayerLevel:1

ClassLevel:None

HP:10/247

SP:56/56

MP:0/0

STA:26/107

STR:1

AGI:1

VIT:1

DEX:1

INT:1

LUK:1

RightWeapon:None

LeftWeapon:None


おい、そんな、冗談、だろ――






「ん?え?えェ!?なに?なになになにィ?なァんか、教官ちゃん、リスポーンからっ、帰ってきてんだけど、おもしれッ!」


「えェ~?あれェ~?逃げたんじゃなかったっけェ?なァんで、まァた帰って来ちゃったわけェ!?」


「え?そりゃ、ねェ?まァた、おれらと、遊びたくなったんじゃねェの!?知らんけどさァ!?」


「いやァ、つってもさァ、もう吐き出す経験値も無ェ、絞りカスじゃん?どうするゥ?叩くゥ?」


「まァ、いいんじゃねェ?叩けば鳴るオモチャとしちゃァ、まァまァ楽しめるっしょ?」


「えぇ~?おれパス~、それよりさ…っ、女漁りに行かねっ?もうおれら、機関のエリートよっ!?女とか見繕い放題っしょ!?」


「なんだよ、つまんねェヤツだなァ…、じゃあ、おれらだけで遊んどこうぜ」


「んだなァ…。それじゃ~、教官さァん、あっそびましょ――ッ!」

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