第11話

学校の水泳の授業の日、朝日は緊張した面持ちでプールサイドに立っていた。彼女は泳げないため、友達の期待に応えられるか不安でいっぱいだった。その時、彼女の心強いペット、モッカが近くにやってきた。


「大丈夫、朝日!私が浮き輪になって、君を助けるから!」とモッカが元気よく言った。


「本当に?それならお願い!」朝日は少しホッとしながらモッカを抱きしめた。


プールに入ると、モッカは朝日の周りをふわふわと回りながら、見事な浮き輪に変身した。朝日はモッカにしっかりつかまり、緊張しながらも一歩ずつ水の中に進んでいった。モッカの推進力で、彼女はなんとかプールの往復ができた。


「やった!私、泳げてるかも!」朝日は少し自信を持ち始めた。


その時、プールサイドで男子たちが朝日の様子をジロジロ見ているのに気づく。彼女の心はドキドキし、少し恥ずかしさが増した。


「なんで見てるの?!」と朝日は思わず叫んだ。男子たちは笑いながら、彼女を見ている。


モッカはその様子を見て、ちょっとイラッとした。「ふざけるな!」と心の中で思った。そして、次の瞬間、モッカは水を勢いよくかけて男子たちに向かって飛ばした。


「これでどうだ!」水しぶきが飛び散り、男子たちは驚いて後ずさりした。


「うわっ、何するの!」と男子たちが笑いながら逃げる。朝日はその光景を見て、思わず笑い出した。


「モッカ、ありがとう!助かった!」朝日は心から感謝した。


「私たち、凸凹コンビなんだから、これからも一緒に頑張ろう!」とモッカが答えた。


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