第6話

ある日、朝日のもとにラブレターが届いた。友達がこっそり渡してくれたその手紙には、彼女の好きな人からのメッセージが書かれているはずだった。期待に胸を膨らませながら、朝日は手紙を開けた。しかし、そこに書かれていたのは白紙のページだった。


「え?何これ?」朝日は驚き、周囲を見回す。すると、モッカがふわふわと現れ、「おはよう、朝日!」と無邪気に言った。


「モッカ、これどういうこと?」朝日は怒りをこめて問いただす。「私に来た、ラブレター、文字が消えてるんだけど!」


モッカはにっこり笑って、「最初から白紙だったんじゃない?」と素知らぬ顔で言う。


朝日は頭にきて、「そんなわけないでしょ!絶対に何かしたんだ!」と主張する。そこで彼女は超能力を使って、モッカの頭の中を調べることにした。


心の中を覗くと、モッカが楽しそうに手紙の文字を消しているシーンが見えた。朝日は愕然とし、「やっぱり嘘ついたな!消したのはお前だろ!」と激怒する。


「え、そんなことないよ?」とモッカは軽く笑いながら言うが、朝日はますます怒りが増していく。


「本当にやったの?どうしてそんなことするの?」朝日は声を荒げた。


モッカはしょんぼりしながら、「だって、朝日が好きな人のことを考えているのが面白かったから」と告白する。「でも、本当はラブレターの内容、知りたかったな。」


朝日は溜息をつき、「じゃあ、文字を戻すの手伝ってよ」と言い、モッカと一緒にラブレターを修復することにした。


二人は手紙の文字を復元しようと試みるが、モッカは適当に直してしまう。「これでいいよね?『君が好き』とか適当な感じで」と言うと、朝日は思わず叫んだ。「全然違うよ!そんなのラブレターにならないって!」


モッカはニヤリとしながら、「じゃあ、もっと真面目にやる?」と冗談を飛ばす。朝日は顔をしかめ、「真面目にやってよ!」


結局、朝日は何とか手紙を元に戻すことができたが、内容はモッカの適当な直しが目立ってしまった。朝日は溜息をつき、「もう、本当に頼むから次はこんなことしないで」と言う。


モッカは小さく「ごめんね」と謝り、「次はちゃんと手紙を届けるよ!」と約束する。


朝日は、モッカのいたずら心に苦笑いしながらも、「もうラブレターの文字消したらダメだよ」と言って和解するのだった。


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