第2話

修学旅行から帰った朝日は、自分の部屋に戻ると、すぐにモッカがいることを思い出して顔がほころんだ。モッカは今や朝日のペットとして、彼女の生活にすっかり溶け込んでいる。布団の上でふわふわとした姿を見せているモッカに、朝日は微笑みながら近づく。


しかし、次の瞬間、モッカが突然猫の姿に変わり、朝日の顔にぴょんと飛び乗る。「おはよう、朝日!」と、モッカのテレパシーが朝日の心に響く。


「うわっ、モッカ!?」と驚きつつ、朝日は目をこすりながら必死に目を開ける。モッカは嬉しそうに尻尾を振り、目を細めて朝日を見つめる。「毎日こうやって起こしてあげるからね!」と、まるでいたずらっ子のように。


「でも、少し優しく起こしてよ!」と朝日は笑いながら返す。モッカはおどけた様子で、舌をペロリと出しながら、「わかった、次はふわっとね」と言い、再び猫の姿に戻ると、今度は優しく布団の端に寄り添う。


朝日が起き上がると、モッカは布団の中に隠れたまま、ちょっとだけ顔を出してこちらを見ている。朝日はその可愛らしい姿に思わず笑みをこぼす。「朝ごはん、どうする?」と尋ねると、モッカは元気よく尻尾を振りながら、どこか楽しそうに見える。


朝日はキッチンに向かい、軽い朝ごはんを用意する間、モッカは部屋の中を走り回ったり、クッションに飛び乗ったりして遊んでいる。時折、テレパシーで「もっと高く飛んでみて!」と朝日を煽り、二人の距離がどんどん近くなっていく。


「私、学校に行くんだよね」と朝日が言うと、モッカは目を輝かせて、「楽しみだね!私も授業を受けたいな!」と返す。朝日は「とりあえず、君は留守番!」と笑いかけた。


朝ごはんを食べ終わると、朝日は服を着替え、モッカに「学校、行ってくる」と声をかける。モッカは嬉しそうに朝日の周りをクルクル回り、目を輝かせた。


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