第六話 好敵

 私達はもうすぐ時間になりそうだったため、食堂にやってきた。

メニューを早めに見ておくため、早めに来ていた。

もちろん、朝だったため夜とのメニューは変わっている。

「何食べよっかな~。」

って思いたいところだが、朝ご飯のため定番メニューの、ご飯、サラダ、味噌汁にすることにした。それと、追加でフルーツも頼むことにした。



 食堂の仕組みは、各テーブルに置いてあるタブレットから注文したいものを選び、レシートを発行する。そのレシートを、係の先生のところに持っていき、作ってもらう仕組みだ。デジタル注文のところが普通の食堂とは違いこれまた画期的だ。


 皆が揃い始めた。が、まだ注文をしていない人もいたため、数分待つことになった。

 その間に他の朝のメニューも見ておいた。


数分後、時間になって皆注文をしたため、挨拶をしてご飯を食べることになった。


「それでは、八時になったので朝ごはんを食べたいと思います!」

「その前に、変更点を知らせておきますね。」

「昨日の食事時間は二時間でしたけど、一時間に変更になりました。なので、昨日食べれなかった人はギリギリだった人は注意してください。」


って、そりゃそうだ。あんなに時間があったら逆に何をすればいいんだ。


「あと、30分まではおかわりをしていいことになりました。」


それ、今更?昨日すればよかったのに...


っていっても、昨日は特別規制を追加したし、あっち側からしたらしょうがないのか。


「変更点は以上です。それでは、この後に向けて二度目のご飯を食べましょう!」

「手を合わせてください!」

「「「「いただきます!」」」」


今日もまた一斉に皆が食べ始めた。


 今更だけど、ご飯はめちゃくちゃ美味い。プロの料理人が作ったのかってくらい美味すぎる。


 味わって食べたら30分で食べ終えた。残りの30分間は昼食と夜食のメニューを確認しておいた。



ちなみに、おかわりはしていない。それは、明後日に貯めておくためだ。

 明後日は、なんと一週間に一回だけ食べれる特別高級 メニューが食べられるんだ。

例を挙げると、ステーキや寿司など、その他諸々の高級メニューが食べられる。


 しかし、特別メニューの値段は、安いメニューは1000円、高いメニューは5000円と普通に過ごすだけでは届かない値段だ。

ちなみに、通常メニューは100円から500円するから、全然違う。


もう30分たったから、ご飯は食べ終えた。残りの30分間は、昼と夜のメニューを確認しておくことにした。



30分後、時間になったため、先生が挨拶をした。

「皆さん!昨日より食べる時間は少なかったですが、食べきれましたか?」

「二回目の食事、及び最初の朝食です。頂けたことに感謝して、挨拶をしましょう!」

「「「「ごちそうさまでした!」」」」



ご飯も食べ終わったことだしなんかしたいけど、スマホはないから暇だなあ。なんかすることないか?


あ、そういえば先生が勉強制度?とか言ってた気がする

確か勉強制度があればお金が貯まるらしいし、今やってみるか


その時、ちょうどアオイが来たため、一緒に行ってみることに。


「ねーアオイさー、ここに勉強制度あるって言ってたよね?今それやりにいかない?」

「いいね!確か勉強部屋にあった気がする...じゃ、勉強部屋に行ってみよう!」



数十分後


「あったあった!ここであってるはず!


地図を確認した。確かに勉強部屋であっていた。


 勉強部屋には物凄い量の本、当たり前だがスペースも学校の図書室の何倍もあった。


地図がなきゃ既に迷子になりそうなのに、勉強部屋だけでも広すぎて迷子になりそうだ。


「勉強のやつ決めるって言ってたけど、やっぱ先に本見てもいい?しばらくかかるけど」

「いいよ!それにしても種類豊富だねえ!」



小説、サスペンス、図鑑、漫画など、種類は数えきれないほどあった。

普段見たことない本もあって、興味が湧いてきた。


これだけ本あるんだし、もう図書館でもいい気が...


試しに、数冊持ってきて読んでみることに。


見れば見るほど興味が湧いてくる。本を読むなんて久々だけど、意外といいものだったんだ。


この本は...なるほど...永遠に読めそう


「ねえ、そろそろ決めに行かない?」


気付いたときには、一時間くらいたっていた。

「あっごめん!いやーつい集中しちゃって!いこいこ!」


 本は返してきて、自主学習コーナーに向かった。

自主学習コーナーには、十数台のタブレットが置いてあった。

その横には、自主学習BOXと書かれた箱が置いてあった。ここに持ってきた課題を入れるんだろう。


 タブレットには『課題を決める』『課題を回収する』というボタンがあって、『課題を決める』というボタンは、やってくる課題のページ数、期限を決めれる。

『課題を回収する』というボタンは、自主学習BOX入れた課題が先生に見られたら、課題とそれ相応のお金が出てくる。


『課題を決める』ボタンをタッチしたら、図書カードをかざす画面が出てきた。かざしたら、期限、ページ数を決める画面が出てきた。


それも選択し終わったら、完了だ。あとは期限内に提出するだけだ。


「よし!終わった!アオイはどう?」

「こっちも終わったよ!戻ろ!」


やることはやったため、寮に戻ることに。

戻ってきたら、ハルセが話しかけてきた。


「スマホやっといたぞ、ほい」


お、開いてみたけどちゃんとなってる!

「ハッカーって...マジだったん!?」

「前そういっただろ」

「それにしてもなんか早いなーって思って...ありがと!なんかしてほしいことってある?」

「じゃあ、仲間集めしてくんね?そっちの方が後々有利になるだろ?」

「仲間かあ、同じ寮の人でも他の人の寮の人でもいいんだよね?」

「まあな。いきなり話しかけるのは良くないと思うけど。」

「オッケー!じゃ早速集めてくるっ!」


 仲間集め、最初は誰にしよう?

そういえば、同じ寮にやたらと丁寧語を使ってる人がいたはず。綾島あやしま 彩華いろはって名前の。


じゃっ、その人に声をかけてみよう!

ちょうど通りかかったため、話してみることに。


「あのさ、男女別で世界を分ける政策についてどう思う?」

「別に、何とも思いませんけど、それより興味ありません」

「じゃあさ...もしその政策を無くすための計画をするってなったら協力する?」

「どうしてもっていうならしますけど...ていうかさっきからこんなことを聞いてどうしたんですか?」

「いやあ...実は今その政策を無くすために色々計画立ててるんだけど...それで今協力してくれる人を集めてて...」

「は、まさかトランスジェンダーじゃないのにここに来たってわけじゃないよね??」

「せ、正解....」

「は?最低ですね...。わざわざ噓ついてまでそんなことするなんて...」


まー...普通は反応そうだよね...私達が成りすましてるってだけで、みんなはちゃんとトランスジェンダーだから...


「でも...そもそもこの制度があったせいでここが出来たんだよ?だからなくすべきだよ...」

「私はさ、この制度が嫌だとか嫌じゃないとかそうゆうのじゃなくて、嘘ついてまでここに来たのが許せないんです!」

「で、でもさ、どうしてもっていうならするってさっき言ったじゃん?」

「...」


「そんなにしてほしいんなら、私と勝負をしないですか?」

「勝負って、何の?」

「それは...どっちの五教科の点数が高いかの勝負です!!!」

「まず、私が五教科のテストのプリントを先生から貰います!そして、アンタと私がその問題を解きます!終わったら、先生に採点してもらいます!採点してもらって五教科の合計点数が多かった方が勝ちってわけ!」

「へぇ...それならまだできそうだし...じゃあ、やってやろうじゃない。」

「そんなに勝てる自信を持つのは今のうちだよ?」

「何さ...」

「だったら試しに、この問題集の問題解いてみてください」

「まあいいけど...」


そう言って、分からない所もあったけど淡々と解き進めた。


「終わったけど」

「じゃあ答え合わせしてみますね...」


「終わったけど...全体の三分の二しかできてないじゃない...」

「三分の二も出来たんだよ!?いいじゃん!」

「そんなんだと私に負けるかもしれないじゃん!?」

「別にこれから勉強すればいいし...」

「言っとくけど、アンタが勝ったら協力してあげる。でも、私が勝ったらアンタがトランスジェンダー支援館をやめるんですからね?」

「いつ決めたのよ!そんなこと!」

「やってやろうって言ったんだから、ちゃんとやってくださいね?香織さん?」

「期限は一か月後ね。それまでに沢山勉強してきてくださいね?」

「...分かったよ」


勉強制度も含めて、これから頑張って勉強しなきゃだな...

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東西に分断された世界で、禁断の青春が始まる 高志保 しほ @shihosasimi

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