第16話 伏線2

実のところ戦士ポジションはネクロスである(パワー系だから)。女になってしまったので例に従って次の仲間を男とする。封魔は体内なのでカウントに入らない。


──第三ヵ国目、勇者アルスルは一人ここを訪れていた。


ここは天に通じる国オーライ。噂では守護神が直々に統治しているという。人々は神を信仰し、全ての行いを神に委ねていた。


だがそんな事は今のアルスルの状態とは関係ない。


アルスル(新加護)『ここが天の国オーライかぁ~、テンション上がってきたな』


僧侶『おや?あなたはもしかして勇者様では?』


アルスル『勇者?いいや拙者は忍者でござるよ!忍者アルスルただいま参上!』ヤーマヲコエテ-


僧侶『は?』


ディアーク『いえ、勇者です。入国してよろしいでしょうか』


アルスル『ヤヤッ!?ディアーク殿!?どうしてここに?死んだはずでは!』


ディアーク(魔法使い-04号)『おや、勇者様に死んだと思われるとは。心外ですね、信用してないんですか?』


アルスル『ヤハハ!流石俺の仲間!!しかし勇者(笑)ってのはやめないか?勇者ってのは名乗るもんじゃなく、結果、人に呼ばれるもんだぜ!』


ディアーク『なんだか見ない間にうるさくなりましたね。さっさと行きましょう』


アルスル『ウィーースwwwww』


天の国オーライでは多くの僧侶に歓迎された。


僧侶1『あなたがあの勇者様…!?お噂はかねがね』

僧侶2『おお神よ今日の出逢いに感謝を』

僧侶3『この壺を買えばあなたにも神の恵みが』


アルスル『この中から一人選ぶのじゃ』


ディアーク『回復魔法の使い手ですか?勇者様には不要でしょう』


アルスル『最強ってこと?俺またなんかやっちゃいましたってこと?』


天使『貴様はあのお方の御子息ではないか!?』


天使『私は天使ハネハエル。貴様の母ミスティルエルは守護神の長だ。天裂剣の使い手で有名だった。』


アルスル『急展開についていけないな』


ディアーク『その剣はいずこに?』


ハネハエル『分からぬ…ミスティルエル様も行方不明だ。御子息を村に預けて旅に出た後…』


ハネハエル『果ての地、異界と通じるゲートホールがある場所に訪れた時に見失った。あそこは大層不可思議な場所だからな……』


アルスル『母さんの名前カッケェ』


ディアーク『異界へのゲートホール…私達もいずれ行くのでその折に勇者様の母君も見つかるでしょう』


アルスル『ちょっとドライ過ぎない?まあその通りか、目指すは母を訪ねて果ての地へ!』


ディアーク『別に貴方のお母さんが目的ではないので履き違えなさらぬよう。』


アルスル『(´・ω・`)』


大神殿。何千年もの樹齢を経た巨木のようなそれは国の中心にあった。


司祭『我らが神、アリマンジャアクを讃えよ、崇めよ…』


僧侶4『偉大なるアリマンジャアク!偉大なる司祭を産んだ者!』

僧侶5『アリマンジャアク!この世の魔物を統べる者!』

僧侶6『アリマンジャアク!我らを地獄にて罰してくれる慈悲深きお方!』


ハネハエル『この通り、邪教信仰が流行っててね。不甲斐ない所を見せてすまない。俺の力ではどうにもならないね』


アルスル『司祭とのボス戦か。HPとMPは全回復しとけよ』


ディアーク『関係無いので早く第四ヵ国へ行きましょう』


アルスル『いやいや!ここは勇者として!って勇者(笑)はやめて忍者になったんだった!』ニンニン


ディアーク『ではなおさら…』


『ハーーーッ!!!勇者アアアアアスラアアアアアアアアアッシュ!!!!!』


ズバアアアアア!!!!!!!!


司祭『うぎゃあああああああ!!!』


ディアーク『え?』


ハネハエル『あれは…』


アルスル『なにィ!?俺の忍者スラッシュとそっくりだ・・・』


元僧侶『我が魂の銘は勇者!魔王を討ち滅ぼす者なり!!!』


ディアーク『これは一体?偽物ですか』


ハネハエル『いや!アルスル…お前、勇者を辞めたな?』


アルスル『えっ?』


ハネハエル『やはりな。加護が上塗りされてる。何の思し召しか分からんが、お前は勇者をクビになったのだ。』


アルスル『嘘だろ…ほんとに忍者になるしかないの??』


ハネハエル『だから新しい勇者が生まれたのだ。あれはそういうことだ』


ディアーク『(なるほど、アルスルの様子が変わってたのはそうだったのか。そして私のアルスルへのうざったい感情も消え失せている…。)』


ディアーク『……。』


ディアーク『ではアルスル、あの元僧侶を仲間に引き入れましょう』


アルスル『へっ?』


続く

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