第15話 詩⑮

私と貴方は何度もキスする仲

二人で見た海が見えるこの場所から

貴方を見送るの

少しだけ切ないけれど

またすぐに会えるよね

その時には笑顔でいれるように

今日は涙こらえて手を振るわ

ずっと

あの頃はまだ若かったねって笑いあえたりして

今よりももっともっとお互い大好きだったよね

いつの間にすれ違っていたんだろう

もう戻れないのかな

貴方がくれた沢山の言葉も

今では思い出の中

どんなに想っても届かないけど

それでもまだ貴方が好きよ

私の心には今も貴方がいるの

二人よく行ったお店の前を通り過ぎても

今は一人じゃ寂しすぎて辛いだけだから行かないわ

きっと

もっと早く素直になれていたら何か変わっていたのかしら

あの頃の私は幼くてただ甘えていただけだったね

今ならわかるのよ

どれだけ愛されていたか

どんなに想っていても叶わない恋もあること

いつかまた貴方に出逢う時が来るならば

今度は強くなってる私を見せるわ

こんなにも好きになれる人に

出逢うことなんて二度とないと知ってたはずなのに

どうして傷付けてしまったの

本当にごめんなさい

貴方がくれた沢山の言葉や優しさを

無駄にはしないから心配しないでね

いつも心に貴方がいたように

これからも私は貴方だけを想い続けるわ

ありがとうとさようならを繰り返して人は大人になる

だけどそれだけじゃ割り切れない気持ちがある事も知った

あの日の二人のようにもう一度やり直す事は出来ないの

でもそれは私が望む事じゃないのわかっているわ

だからさよならをするの

これが最後の手紙になります

最後まで読んでくれてありがとう

もしよかったら最後に聞かせて欲しいの

貴方にとっての幸せとは一体何ですか

貴方の隣にいたかった

ただそれだけなの

今になってやっと気付いたわ

私バカだよね

こんな私だけど

今まで優しくしてくれて

貴方と過ごした日々は決して忘れないわ

今日まで育ててくれてありがとう

さよなら、お母さん

もうこれで終わりにするからね

私の知らない女と腕を組んで

仲良く歩いてるところ見かけたよ

その時に全てわかった気がしたの

私より好きな人出来たんでしょ

隠してるつもりだろうけどバレバレだよ

最近なんだか帰り遅いし連絡も少ない

なんか怪しいと思ってたらやっぱりそうだったのね

嘘ついてまで隠す必要ないでしょ

そんな貴方の事だから別れたくないって言うと思った

だからわざと見せつけるようにして歩いたんだよ

どう

これで満足したでしょ

それじゃもう行くね

ばいばい

別に泣いてないし

悔しいわけでもないし

悲しくもないんだけど何故か涙が出るのは何でなんだろう

今更何を言ってみたところで何も変わらないっていうことは分かってる

本当は全部許してあげたいし一緒にいたいと思うけど

こうなる事をどこか予想していた自分もいるから仕方がないよね

あの子を選んだ理由は多分一番私に似ているからでしょう

あんな可愛くない奴に惚れるとはあんたも相当趣味悪いわ

ほんと信じらんない

私の方が絶対良い子だし

あんたのために家事だってこなしてきたつもりだった

それが今となっては全て無駄になってしまった

これから先私一人で生きていかなくちゃいけない

大丈夫だって言い聞かせても不安しかないんだ

この広い世界で二人出会った事が奇跡ならなぜこうなった

もういいよ謝らないで聞きたくもない

本当のところはまだ好きだよって言われたかっただけなのかもしれない

だけど今更もうどうしようもないじゃん

こんな私を誰よりも愛してくれたのに

何度繰り返しても私はあなたを選んでしまうの

もしもあの時ああしてれば

なんて考えてみたところで時は戻せない

後悔しても後の祭りだと誰かが言っていたけれど本当だと思う

結局自分の弱さに負けてしまうんだよね

今こうして生きている限り私たちは出会う運命にあるのに

こんな辛い思いするくらいなら

いっそ消えてしまいたい

でもそんな勇気なんてどこにも無いんだよ

だから生きるしか無いの

今日もまた同じ過ちを繰り返すの

神様教えてください

私たち二人は何処へ向かおうとしているんですか

たとえ二人が離れていても

心だけは繋がっていたいと願ったのは私だけですか

答えてくれる人などいないから

せめて夢の中で会いに来てください

どんな時でも側に居てくれた貴方がいないだけで

こんなにも世界が暗く冷たくなるなんて知らなかったよ

いつの間にか当たり前になっていた

貴方の笑顔や温もりが私の心の支えだった

こんな事になるなんて思ってなかった

今でもまだ信じられなくて

一人きりの部屋の中私は声を押し殺して泣いた

私を呼ぶ優しい声も

頭を撫でる大きな手も

二度と触れることは出来ないけど

今もまだ覚えているよ

初めて出逢った時の事

照れくさそうな顔

二人で交わした約束

数えきれない思い出達が

いつまでも色あせること無く輝いているよ

ずっと私の全てを捧げるから

貴方の心の中に住まわせて下さい

貴方がくれた優しさや愛しさを

決して忘れることは無いから

もし生まれ変われるとしたら

また貴方と出会い恋をしたい

そしていつか貴方と結ばれて幸せな家庭を築きたい

なんてね

叶うはずない願いだとしても

私は信じ続けているから

きっと今日も変わらず貴方を想っているよ

元気にしてますか

ちゃんとご飯食べてますか

無理をしていませんか

何かあったらいつでも頼ってね

私はいつも貴方の味方だから

大好きだよ

貴方が私を好きになってくれた理由が未だにわからない

私は貴方のどこを好きになったのかさえも分からないまま

貴方が喜ぶような言葉や仕草を探りながら過ごしてた

貴方が笑えば私も嬉しかった

貴方が怒れば私も悲しくなった

貴方と過ごす時間がとても幸せだった

貴方と出逢えたことで私の毎日はとても楽しくなった

今まで生きてきた中で

一番幸せだった

貴方の傍にいると自然と私も優しくなれるような気がした

貴方が私を抱きしめるたびに私は泣きそうになるんだよ

貴方が私を好きになってくれて本当に良かった

ありがとう

私は貴方が大好きです

私は貴方が大嫌いでした

私は貴方の全てが嫌でした

だけど貴方を愛していました

貴方の笑う顔も怒った顔も寝てる姿も

貴方の匂いも貴方の声も貴方の優しさも

貴方のすべてが愛おしくて仕方が無かった

貴方と過ごした日々は今も尚輝き続けています

貴方が私を忘れても

私は貴方を忘れないから

貴方の全てをずっと好きでいます

今まで本当にありがとう

さよなら

貴方に出逢えて本当に幸せでした

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