桜の樹の下

青木一人

桜の樹の下

 ずっと前から好きでした。今日、僕は幼馴染に告白した。一世一代の大舞台に、君は表情一つ変えない。「そんなことを言っても仕方ないか」と呟き、懐から線香を出し、ライターで火をつける。今日は君の一周忌。桜の木のそばのお墓。僕は借りっぱなしの小説を取り出し、煙が消えるまでページをめくった。

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桜の樹の下 青木一人 @Aoki-Kazuhito

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