お題『あふれる気持ち』

ぽたり、とコップに水が落ちる。

それは例えば、笑顔だとか、骨ばった手だとか、授業中にふと窓の方を向いた横顔だとか、男の子っぽい喉元とか。その度に、コップに水が落ちてゆく。

今日も笑い声を聞いて、コップに水が落ちてゆく。

毎日そんな些細なことで、水は溜まっていって、気づけばもうコップの水はあふれんばかり。

ああ、あふれる気持ちが怖い。これ以上水が溜まってあふれてしまったら、わたしはどうなってしまうんだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る