第6話 秋の影
「人間ごときが調子にのりよって...」
狛犬のような人間はあきれたような顔をしていた。
「す、すごい...あの一瞬で....」
「あぁ、さすがだな...」
零と冷夏さんはさっきのことについて驚きを隠せていない様子だ。
「おい、さっきからじろじろ見ているが...ワシに何か用なのじゃ?」
しまった。見ていたのに気づかれてしまった。
「い、いやぁ....そのぉ...」
「お前はここの神社のものか?」
「あ、はい...一応...」
「!!!お前...名前は...?」
「え?鈴川修吾です。」
「そうか。また会おう。」
そういって狛犬のような人間は消えていった。
「なんか...すごかったなぁ...」
僕はこれ以外に言葉が出てこなかった。
12月上旬
「いらっしゃーい!!3年A組の焼き鳥いかがっすかぁ~!!」
「2年C組でビンゴ大会していまーす!ぜひおこしくださーい!」
今日は
なんか高校の名前がダサいって?僕もそう思う。
初めてここに来たときは、ある種のキラキラネームかと思った。
いや、キラキラネームである。
そんな僕の学校の文化祭は今日と明日の二日間で行われる。
僕のクラスはパンケーキと焼きそばを売っている。
「いらっしゃいませぇーおいしいパンケーキと焼きそばいかがですかぁー」
僕、鈴川修吾は店の呼び込みとして働いている。
シフトの時間は約1時間交代制になっている。
「もぅ鈴川くん!もっと具体的にどこがおいしいのか伝えないと!」
僕と一緒に当番になった
「でも、おいしいことには変わりないだろう?」
「そうだけどぉ!なんかもっとこう...ひねりをだしてほしいっていうか!!」
鈴野瀬さんは、クラスの中ではムードメーカーで男女問わず人気で、
僕と正反対の性格をしている。
「パッサパサのパンケーキにどっろどろのやきそばいかがですかぁー」
「おいしくなさそうな言い方!!もっとおいしそうに!!」
鈴野瀬さんも結構ツッコミうまいなぁ。
「ふわっふわっのパンケーキにアツアツの焼きそばいかがですかぁー」
「パンケーキは400円、焼きそば450円で販売していまーす!
ぜひお越しくださーい!!」
僕はシフトの一時間、鈴野瀬さんと一緒にたくさんのお客さんを呼んだ。
まぁ、ほぼ鈴野瀬さんのおかげなんだけどね...。
そしてシフトの時間が終わり、自由時間になった。
ここである問題が発生した。
やべぇ...一緒に回る人がいない...。
今日、学人は風邪で学校を休んでいる。
イコールボッチということになる。
さて、どうしたものかなぁ。
「随分と困っているみたいだな。」
「ほんとだよーどうしようかとおも...ってえ!?冷夏さん!?」
「わたしもいますー!!!」
横を見ると、冷夏さんと零が隣にいた。
「零まで!?なんでここにいるの!?」
「今日が文化祭だと聞いて、こっそり後を追っていたんです!」
どうやら僕の後をついてきて、文化祭にきたらしい。
「しかし、高校の名前を見たときはびっくりしたぞ。」
あはは...この高校の名前考えた人はある意味天才だな...。
←(その名前考えたのワイやでby作者)
あれ...なんかどっかから聞こえたような気がしたけど...まいっか。
「修吾くんはひとりぼっちなんですよね?もしよかったら、一緒に回りたいんですけど...どうですか?」
その言葉は結構刺さるのだが...零は多分悪気はないのだろう。
「じゃあ、一緒にまわるかぁ!」
「なぁ修吾!あの屋台に行ってみたいぞ!」
「冷夏さん!そんな引っ張らないでぇー!!」
こうして僕たちは一緒に其処等片高校の文化祭を楽しんだ。
「鈴川修吾、この人の周りの霊は一体...どんな能力があるんだろうか...」
「おい、こんなところでなにをしている鏡花...」
「ご主人様...私鏡花は、あの霊たちのデータをとっていましたところです。」
「そうか。この調子であいつらの情報を集めるのを続けてくれ...」
「かしこまりました。学人様...」
「フフフ!!!いやぁーあの神社がこの先どうなっていくのか楽しみですねぇ
ー!!!」
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