第5話 罰当たりには制裁を

 11月も終わりにかかってきた今日、

 僕、鈴川修吾は文化祭の買い出しに行っている。

 今年の僕たちの出し物は焼きそばとパンケーキに決まって、

準備もスムーズに進んでいる。

 「修吾くん!こっちの飾りはどうかな?凄く教室と合うと思うんだけど!」

 「お!いいね!この飾りつけにするんだったら、こっちのやつとかも合いそうじゃない?」

「なぁ、修吾。こっちの飾りも似合うと思うぞ。」

 僕は零と冷夏さんと一緒に、百円ショップのダイヨーで飾り物を選んでいる。

 文化祭まであと一週間を切って準備にも力が入ってきた。

 「あの人一人で何話しているんだ?」

 「さぁ?中二病なんだろう。俺にもあんな時期あったさ。」

 なんか誤解の目を向けられている気がするか、聞かなかったことにしよう。

 「おや?修吾氏!奇遇ですな!」

 悩んでいると学人とばったり会った。

 「まなびと!こんなところで何しているんだ?」

 「私はまなびとではなくです!わたくしもここでハサミや段ボールなど私たちのクラスでつかうものを買おうとしてたんですよ。

 そういえば修吾氏。あの方たちと随分仲がいいのですね!」

 「そりゃもちろんだろ....って、え?学人、零たちのこと見えるのか?」

 「えぇ。そりゃもうくっきりと。」

 驚いた。あの学人が霊視能力があるなんて。

 「修吾くん~ガムテープもってきましたよー...ってそちらの方は?」

 「あ、初めまして。私の名前は秋永学人です。修吾氏とはいつも仲良くしてもらっていますね。どうぞよろしくお願いいたします。」

 「修吾くんのお友達なんですねぇ!初めまして!私は春島零です!よろしくね!」

 「中山冷夏です。どうも。」

 学人と少し世間話をしたら時計はすでに18時を回っていた。

 「おぉ、もうこんな時間ですか。それじゃあ修吾氏!また学校で会いましょう。」

 学人が店を出て行った後に僕たちも買うものも買って店を出た。

 「学人くんってすごい人なんだねぇ!小説書いているんだ」

 「あいつ、あぁ見えて創造力が才能並みだからなぁ。

 僕もなんか趣味を取り入れようかな?」

 「いいんじゃないか?むしろ貴様は、自分のことに無関心なのだからな。」

 うぅ...何も言い返せない...

 散歩って趣味にはいるのかなぁ?と思っていた時、

 「なぁ、薄々思っていたんだけど、なんか神社のほうからにおわないか?」

 神社の方から、すごい煙臭く感じた。

 「私も...なんだか変なにおいがする。」

 「私もだ。」

 「よし...行こう。」

 僕たちは神社のほうへ走った。







    




 一番上まで登った時、神社の職員と男三人組がもめていた。

 「困ります!ここの神社は火物は禁止なんです!」

 「別にいいじゃねえかよー。ほかの人に迷惑かけてねーんだからよぉ!」

 見ると、男たちはたばこをくわえて、周りには花火のごみが散らかっている。

 僕の神社は火事の原因になるため火物の持ち込みは禁止している。

 「大体よぉ!こんなボロ神社に来てやってんだから!逆に感謝しろよな!

 この無能がぁ!」

 「っ....」

 「ひ、ひどい...」

 僕はもう我慢の限界だった。

 「そもそもよぉ...お前さっきからうるさいんだよ!」

 男の一人が職員を突き飛ばそうとしたときに手を出した瞬間

 「おい...てめぇら...さっきから黙っていれば好き勝手言いやがって...」

 気づけば僕は男の手を止めていた。

 「あぁん?なんだおめぇ!ガキはおよびじゃ...」

 「黙れ...図体でかいだけのクソ野郎ども...ルールを破るだけならまだしも、うちの神社まで馬鹿にしやがって...」

 「修吾くん....?」

 零は何が起きているのかわかっていないような感じだ。

 「なんだ!このガキッ!てめぇ!調子に乗るな!」

 男たちが襲い掛かろうととびかかってきた。

 「修吾!よく言った!あとは私に任せろ!」

 冷夏さんがそういうと、

 「お前ら、よくも私のにこんな真似を...!!黒い霧ブラックフォーグ!!」

 男たちめがけて黒い霧が囲んだ。

 「な、なんなんだよこれ!?急に黒い影が...!」

 「胸が....!!!苦しいぃぃ!!」

 「おい!早く逃げるぞ!」

 男たちが逃げようとして、走ろうとした次の瞬間...

 「神の裁きゴッドジャッジメント.......!」

 突然白い光が差し男たちが包まれたままどこかに消えていった。

 男たちがいたほうを見ると、狛犬のような人間が立っていた。



 「ふぅ...邪魔者は消えたのう....これだから人間は嫌いなんじゃ....」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る