EITOエンジェル総子の憂鬱(仮)56
クライングフリーマン
花嫁準備中
====== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
南部(江角)総子・・・大文字伝子の従妹。南部興信所所長の妻。EITOエンジェルのチーフ。
南部寅次郎・・・南部興信所所長。総子の夫。
大前英雄管理官・・・EITO大阪支部の管理官。コマンダー。総子からは『兄ちゃん』と呼ばれている。
足立祐子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
石動悦子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
宇野真知子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
丘今日子・・・EITO大阪支部メンバー。看護担当。元レディース・ホワイトのメンバー。
河合真美・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
北美智子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。現在は休暇中。
久留米ぎん ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトの総長。EITOエンジェルス班長。
小峠稽古 ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
和光あゆみ・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。
中込みゆき・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。
海老名真子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。
来栖ジュン・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7の総長。EITOエンジェルス班長。
愛川いずみ・・・EITO大阪支部メンバー。EITOエンジェルスの後方支援担当になった。
本郷弥生・・・EITO大阪支部、後方支援メンバー。
大前(白井)紀子・・・EITO大阪支部メンバー。事務担当。ある事件で総子と再会、EITOに就職した。
神代チエ・・・京都府警の警視。京都府警からのEITO出向。『暴れん坊小町』の異名を持つが、総子には、忠誠を誓った。
芦屋一美(ひとみ)警部・・・大阪府警テロ対策室勤務の警部。総子からは『ひとみネエ』と呼ばれている。アパートに住んでいる。
用賀(芦屋)二美(ふたみ)二曹・・・。三つ子の芦屋三姉妹の次女。陸自からの出向。総子からは『ふたみネエ』と呼ばれている。オスプレイやホバーバイクを運転することもある。後方支援メンバー。総子の上の階に住んでいたが、用賀と結婚して転居した。
芦屋三美(みつみ)・・・芦屋グループ総帥。EITO大株主。芦屋三姉妹の長女で、総子からは『みつみネエ』と呼ばれている。芦屋三姉妹と総子は昔。ご近所さんだった。
小柳警視正・・・警視庁から転勤。大阪府警テロ対策室室長。
佐々一郎・・・元曽根崎署刑事。横山と同期。大阪府警テロ対策室勤務。通称佐々ヤン
指原ヘレン・・・元EITO大阪支部メンバー。愛川いずみに変わって通信担当のEITO隊員になった。
用賀哲夫空自二曹・・・空自のパイロット。EITO大阪支部への出向が決まった。二美の元カレだったが、二美と結婚した。
神代宗佑警視正・・・京都府警東山署署長。チエの父。
松本悦司・・・EITO大阪支部。剣道師範。
=====================================
= EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す =
==EITOエンジェルズとは、女性だけのEITO大阪支部精鋭部隊である。==
午前9時。EITO大阪支部。会議室。
マルチディスプレイに、小柳警視正が映った。
「急ぎと言う訳ではないが、一応報せておく。昨日の朝、コンビニ近くで男が二人、揉み合って、喧嘩をしていた。コンビニ店員が駆けつけたので、ガイシャにナイフで切りつけた男は逃走した。今、モンタージュを作って、指名手配している。問題は、そのナイフだ。男は慌てて逃げたので、凶器は残った。店員の機転で、ナイフはハンカチでくるんで保管、警察官に凶器は渡された。」
「警視正。ひょっとしたら・・・。」大前が言うと、「その通り。ヘレン君。送った写真を映してくれ。」と、小柳が画面から指示した。
「ナイフガン、か。やっぱり。」と、総子が言い、「ナイフガン?」と、小町が首を傾げた。
「小町が来る前の事件やサカイな。後で、ジュンねえさんが教えたる。」と、ジュンが胸を叩いた。
「ありがとう、ジュン姐さん。」と、小町は目をぱちくりして、乙女になった。
「ん、んん。大前君、3日前の建設業の男が部下にナイフで切りつけた事件があったのを覚えているかな?」「まさか?」「幸か不幸か、ナイフガンのナイフじゃない。ただ、現場がコンビニの近くだというのが、引っかかって、大阪市内のコンビニに、事件を目撃したら即通報するように念押ししておいた。」
「そうですか。じゃあ、今日は訓練させますから、何か事件があったらお願いします。」
そこへ、三美が入って来た。
「コマンダー。小町、借りていい?」「借りていい?って連れて行く気満々やないの。」
「実はね、国際会議に配置される予定のSPが一人、急病になったの。小町にSPさせようかと思って。向こうも、警視なら、って乗り気だし。場所はグランドキューバ大阪。」
「国際会議?」「国際会議って言っても、日本の『給食』のノウハウを学ぶシンポジウムよ。小町。いらっしゃい。」
小町は、皆に黙礼してから、三美について出て行った。
「借りていい?やなくて、借りるわよ、やろ。」と、大前は膨れた。
「今日は、松本師範が見えるのよね、チーフ。」「ああ、しっかり仕込んで貰って。」
弥生の意気込みに、総子は笑顔で応えた。
松本は、EITO東京本部の天童と並ぶ、伝子が選んだ、トレーナーだ。
昔、欺されて参加した『刺客』の天童や松本と、伝子が闘った縁である。
午前10時。大阪支部のトレーニング場。
以前は、事務室棟の隣にあったトレーニング場だが、オスプレイ発着場の手拡張に伴い、東側に新しく作られた。
「いいニオイだな。新しい畳のニオイはいいね。」
皆は笑った。皆は、道着に着替えていた。
「今日は、今持った木刀を使います。型の練習なので、竹刀ではなく、木刀です。」と、松本は言った。
約2時間。松本は、剣道の型を順番に見本を見せてから、隊員に実践させた。
「基本1」一本打ちの技 正面、小手、胴、突き
「基本2」二・三段の技:小手⇒面
「基本3」払技:払い面
「基本4」引技:引き胴
「基本5」抜技:面抜き胴
「基本6」すり上げ技:小手すり上げ面
「基本7」出ばな技:出ばな小手>
「基本8」返し技:面返し胴
「基本9」打ち落とし技:胴(右胴)打ち落とし面>
正午になったので、今日の稽古は、ここまでだ。
全員揃うのは、たまにしかない。
用賀が言った。「師範。『乱取り』は?」
「午後から1時間。それ以上だと、幾ら隊員が若くても、明日に疲れが残る。後は、コマンダーの指示に従って下さい。途中、出動があれば中断します、任務に集中して下さい。」
「了解しました。」と、総子は、松本に頭を下げ、皆もそれに習った。
正午。中之島。グランドキューバ大阪。
三美は、小町を連れて、3階にあるレストランで食事をしていた。
「夕方は、みんなで給食を食べましょ。」と、三美は笑顔で言った。
「総帥。一日中、ここにいるという事ですか?」と小町は尋ねた。
「そうよ。夕方まで時間があるから、もう一つのイベントに参加して貰うわ。」
午後1時。7階。
芦屋グループが貸し切っているのは、9階だが、食事を終えた2人が上がってきたのは8階だった。
三美は、楽屋に小町を連れて行った。
「小町。これに着替えなさい。」と三美が指し示したのは、何とウェディングドレスだった。
「総帥。どういうことですか?」「ごめんなさい。給食のシンポジウムは嘘なの。あるにはあるけど、芦屋食品主催の『給食について考える』のシンポジウムは来月なの。あなた、フィアンセがいるのよね。」
「はい。」「その練習の積もりで参加して。欠席したのはSPじゃなくて、『小柄な花嫁モデル』なの。」三美は、悪戯っぽく、舌を出した。
「今日はね、芦屋衣装の、小柄な花嫁ファッションショーなの。あなた、156センチだったわね。」
小町は、仰け反った。
午後1時半。舞台袖。
ファッションショーは、始まった。ここ7階と8階はシネコンのような造りになっている。大勢の観客を前に、舞台をうろちょろする小町は気が気で無かった。
警視として呼ばれたので、女子警察官の制服で来たが、いきなり花嫁衣装なんて。幸い、ウェディングドレスだけで、結婚式のような白無垢や十二単は着なくて済むが、1人で何着も、舞台袖で着替えるので、どぎまぎした。
普通、ファッションショーと言えば、花道を歩いて、観客が見上げる格好になるのだが、今日は、張り出し舞台と本舞台をうろちょろすることになっている。
午後4時半。
ショーが終わりかけた頃、ある集団が乗り込んで来た。
観客は、何とか非常口や出入り口から、脱出したが、花嫁役のモデル達は、囚われの身になった。舞台中央奥に固まって震えている。小町は、迂闊に動けない。
賊は、全員ナイフガンのナイフを持っている。
ナイフガン自体は持っていない。小町は、以前の事件の経緯を三美から聞いていた。ジュン姐さんから聞いている暇が無かったからだ。
ナイフガンのナイフ自体は量産出来るが、ナイフガン自体は形状が複雑で量産出来ない、そう聞いていた。
「何が目的?」と、三美は果敢に前に進み出て言った。
「花嫁衣装と花嫁役モデルだ。どちらも高く売れる。」とリーダー格の男が言った。
「断る!」と三美が言うと、舞台上手から二美が出て来て、「断る!」と言い、舞台下手から出て来た一美が「断る!」と言った。
集団が驚いていると、8階側から、EITOエンジェルズが登場して、散った。
小町と三美は賊が現れた時点で、密かにDDバッジを押していた。
DDバッジとは、元々は陸自が災害救助用に開発した所在地確認バッジだが、EITOでは、それを応用したDDバッジをEITO隊員及び関係者全員に配っている。所持しているだけでピンポイントの場所を割り出し、システムで確認出来、押すと緊急救助要請の信号が送られる。
2人が送った信号は、EITOのオスプレイから大阪支部へ、更には東京本部で送られ、ピンチの隊員を衆知される。
訓練中だったEITOエンジェルズは、すぐにグランドキューバ大阪にオスプレイで急行した。大前は、芦屋グループに確認し、グランドキューバ大阪でファッションショーがあることを知った。
「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。悪を倒せとわらえらを呼ぶ。参上、EITOエンジェルズ。満を持して。」
総子の口上が終ると同時に、EITOエンジェルズは、集団にバトルスティックとバトルロッドの『二刀流』で、敵を倒した。
リーダーは、拳銃を取り出した。
小町は、メダルカッターをリーダーに投げた。メダルカッターとは、押すとプロペラ状の刃が飛び出す武器である。メダルカッターは見事にリーダーの手に当たり、リーダーは、拳銃を落した。
一美と二美は、簡単にリーダーを捕縛した。
間もなく、佐々ヤンこと佐々刑事が警察官を引き連れ、集団の逮捕連行にやって来た。
午後7時。EITO大阪支部。仮眠室。
小町は、白鳥に報告、そして、父親に報告した。
「芦屋さんから、写真を送って貰ったよ。明日、白鳥君に見せるよ。ああ。それから、ナイフガンナイフやけどな。半グレが那珂国から仕入れたらしい。正確にはChotGPTを利用した組織や。ブランチとの関わりは今のところ、分からん。」
「ちゃん。一緒にお風呂入りたいな。」と、小町は電話で甘えた。
「長い人生から見たら一瞬や。それに、白鳥君と一緒になったら、お風呂の相手は出来へんで。」
「うん。」
今夜の2人は長電話をした。小町は、今はホテル住まいなのだが、遅くなった時は、EITOに泊まる。
隣の宿直室では、大前と紀子が『盗聴』していた。
―完―
EITOエンジェル総子の憂鬱(仮)56 クライングフリーマン @dansan01
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
そこに私は居ません新作/クライングフリーマン
★0 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます