第9話 すぐ顔に出る彼
7月も中盤を迎え、担任との個人面談がありました。担任はもちろん中村先生。個人面談が始まり、まず先生が「どう?クラス、俺はこのクラスの雰囲気いいと思うんだけどね。どう?なんかある?」と質問した。私は「いいと思うよ!色んな先生に愚痴聞いてもらってるから、精神面的にも平気」と答えた。真面目なことはそれまでで後はいつものようなプライベートの話やお菓子を渡したりして終了。基本的に10分でやると言っていたのに、結局40分くらい話してました。そして就職活動も本調子になり、職場見学へ本当なら事後指導は就活担当の先生のみでいいところを中村先生から「俺とも事後指導しよ」と誘ってもらいました。そしてその日の放課後また友達と三人で話していると、友達が「中村先生は新婚旅行行くならどこに行きたいですか?」と聞き、「新婚旅行か、やっぱ海外だね」と先生。「やっぱり、自分が英語話せるからですか?」と友達、「いや別にそういうことじゃないかな」と先生、「結婚式だったらどこですか?」と友達、「式はハワイかな、披露宴やるなら日本がいいかな」という話をしていた。その後に私が「ねね、中村さんってさ追いLINE嫌いだよね。」というと「え?」と先生、「例えば彼女と同棲してて、「何時に帰って来るの?」ってLINEがくるとするじゃん。それに中村さんが返信してなくて未読で1時間後くらいに彼女が「まだ?」ってLINEしてくるってこと」というと、先生は見たことないほどに嫌な顔をしていました。そんな素直に顔に出るところも好きだなと再確認した日です。そして、影で進学活動をしていた私は遂にどちらの道に進むのかを決める時が来ました。担任と最終確認を始め、「就職と専門どっちにするか決まった?」と先生、「どっちだと思う?」と聞くと「うーん、就職?」と先生、「進学!」と私が言うと、「え?本当に?」とビックリする先生。私が「なんで就職だと思ったの?」と聞くと「前に進学辞めて就職にしようかなって言ってたのが、ずっと頭に残ってたから」と先生、「よく覚えてたね」と言うと進学方法について色々話した。その時に私が不安にならないようにたくさんの優しい言葉や励ましの言葉をかけてくれて、全力で協力体制をくんでくれた。たまに教室から見る先生の野球をしてる姿に陰ながらキュンキュンする毎日です。あまり感謝を伝えてくれない先生ですが、突然感謝を伝えてくれて、ニヤけてしまいます。生徒思いの中村先生は悩むことは基本生徒の事。その話を聞いて、私も一緒に悩んでしまうのです。そして受験が終わった私は開放感に溢れていました。
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