第3話 担任の先生の告白

2年生の体育祭を堺に中村先生との仲は縮まっていった。

1年生の時から数学を担当してくれている清水先生と仲良くなり、LINEを交換した。LINEでは解けなかった問題の解き方を教えてもらうだけでプライベートな話は一切しなかった。そんな中、クラスの友達が中村先生がいる前で「向日葵ちゃん清水先生とLINE交換してるんだよね」と言った。中村先生は少し驚いた表情で「本当?」と私に聞いた。私が頷くと、「そうか。他の先生には言うなよ」と言い、中村先生は教室を後にした。その日の放課後、教室で勉強していると中村先生が来た。「向日葵、清水先生とLINE交換してるのは本当なの?」と教室に入り言った。私は「本当です。でもプライベートな話は一切してない。見せられるくらい、授業の話だけです。」と言った。そうすると中村先生は「俺とLINE交換してくれない?向日葵のことが心配なんだ。」と言った。私は担任の先生だし、特に話すこともないので、交換だけと思い了承した。その日は特にやりとりせず、一緒にクラスのゴミを捨てに行って終わった。

そんな中、私は病気になった。そのせいで、学校を早退することが増えた。幸い通院すればいいとのことだったので、友達には内緒にし、先生もほとんどの人が知らない中、学校生活を送った。そんな中、学校を早退し、いつものように病院に行くと、あまり結果が良くなかった。それを担任である中村先生に電話で報告をした。「誰に相談したらいいか分からなくて、とりあえず電話しました。」というと「そんなの僕でいいじゃないですか。」と言ってくれた。「明日頑張って学校行くね」と言うと「いつでも聞くからなんかあったら言って、明日ね。またね。」と言って電話を切った。

不安になっていた私の心を一瞬で治してくれた。私はその時少し、中村先生に恋心をいだいていた。そんな中、中村先生が誕生日を迎えた。私は、朝一番にお祝いしに行き、プレゼントを渡した。「ありがとう。こんなにたくさん。」と中村先生は喜んでくれた。その日の放課後、中村先生に相談室に呼ばれた。そこで「向日葵、誕生日お祝いしてくれてありがとう。本当に嬉しかった。急にこんなこと言ったら驚くかもしれないけど、俺は向日葵のことが好きです。付き合ってくれませんか。」と言われた。もちろん私は困惑し、「本当に言ってますか?」と確認した。すると「本気です。」と言われ、私も以前中村先生に抱いた恋心を思い出した。「私も中村先生のことが好きです。よろしくお願いします。」と私は言った。すると「本当?ありがとう。嬉しいです。」と中村先生は笑って言ってくれた。その日は下校の時間になってしまい、あまり話もせずに別れた。

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