第2話 輝く光

学校の昼休み、ユカリはいつものように教室で友達とお弁当を食べていた。周囲が賑やかに笑い合う中、ユカリはふと心の中に芽生えた新たな感覚に気づいていた。それは、あの日の泉での出来事が彼女の心に残していった何かだった。今、彼女はその感覚に少しずつ気づき始めていた。


「ねえ、ユリン。」ユカリが席を外し、隣の席のユリンに声をかけた。ユリンはユカリの方を向き、にこやかに笑った。「どうしたの、ユカリ?」


「実はね、子どものころにお花と話していたことを思い出したの。」ユカリは少し照れくさい気持ちを押し込めながら話し始めた。「でも、最近そのことがまた頭に浮かんで、今も花と話せるかなって思っているんだ。」


ユリンは興味深そうに目を輝かせた。「へえ、すごいね!でも、どうやって花と話すの?」


「うーん、正確には言葉じゃないんだ。なんていうか、心で感じる感じかな。言葉じゃなくて、感覚で分かるというか…」ユカリは説明しながらも、自分でも言葉が曖昧だと感じていた。


「なるほど。」ユリンは少し考え込んでから、笑顔で言った。「じゃあ、放課後に校庭にある花たちと話してみたらどう?私も一緒に行くよ!」


「本当に?ありがとう、ユリン!」ユカリは嬉しそうに言った。


放課後、ユカリとユリンは学校の校庭に向かった。校庭の片隅には、色とりどりの花が咲いている小さな花壇があった。ユカリは花壇に近づき、静かに花たちに話しかけるような気持ちで目を閉じた。


「こんにちは、また会えてうれしいな。」ユカリは心の中で花たちに話しかけた。


すると、ふわっとした感覚がユカリを包み込んだ。花たちの穏やかなエネルギーが彼女の心に触れ、確かに存在を感じ取ることができた。ユリンはユカリのそばで見守りながら、花壇の花々に興味津々で視線を向けていた。


「どう?お花たちと話せた?」ユリンが期待を込めて尋ねた。


「うん、何かしら分かる気がする。」ユカリは微笑みながら答えた。「でも、これが本当に花たちの声なのかどうかは分からないけれど、心が落ち着く感じがするんだ。」


その日から、ユカリとユリンは放課後の花壇でしばしば花と触れ合う時間を持つようになった。ユカリは心の中で花たちと対話し、少しずつ彼女の能力が以前のように感じられるようになっていった。


そして、ある日、ユカリがふと「花が心を閉ざすことがあるって知ってる?」と話しかけてきた。


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