女性配信者異世界転生トーク力で乗り切った

沢渡天城

第1話 異世界転生

私は花音27歳の配信者だ。

「今日も配信おーわり!あーあ、疲れたー」などとひとりで言っている。

配信が終わったあとご飯を作って、お風呂に入り寝る準備をしている時だった。

「ん?」違和感に気づいた。外から音がするのだ。

(ドンッドドン!)とても独特で低音だが響く音で私はとてもその音に惹かれた。

外に行って確認してみると、音の原因は分からなかったが、見覚えのない水晶玉が落ちていた。

何だろうと思い持ち上げまで見ると、水晶玉に吸い込まれてしまった。

そして、目が覚めるとそこは中世ヨーロッパのような感じの街並みに変わっていた。

「え!?」と私は驚いて声が出てしまった。

そして、見た目も変わっていた。

「え!?これ18くらいの私じゃない」

そう!転生した時に若くなったのだ。

これから私はどうなるのだろうという不安がとても大きかった。

とりあえず持ち物を確認すると、少しのお金と武器と防具があった。そして、それを着て近くの森で薬草を採って帰ってきた。

途中て気づいたのだが、鑑定スキルなどを持っているらしい。

そして、採ってきた薬草をギルドで売った。

「銀貨30枚と銅貨8枚か」そう呟きながら宿に向かった。

ご飯付きで銀貨3枚だったので、10日は泊まれると思いとりあえず、10日分予約を入れた。

-10日後-

とりあえず、宿の予約が切れてしまう日なので予約延長をお願いした。

そして10日でわかったこととしては、こっちでの主食は日本と変わらず白米であること、そして薬草摂りは中々いいお金になること、そして使い魔が手に入ることなどだ。

お金にも余裕が出来たので、使い魔など欲しいと思い始めていた。

お金も10日でそこそこ溜まったし、魔獣屋に行くことにした。

(魔獣屋とは獣や使い魔などを取り扱うお店である。)

魔獣屋まで行くのにそんなにかからなかった。

使い魔を得るのに方法は2つあり、まず1つ目は

自分の魔力を使い魔法陣から召喚する方法である。

この方法のメリットは安く済むし、相性のいい使い魔が召喚されやすい事だ。

デメリットはそれなりに魔力が強くないと使い魔ではなくペットレベルの仲間を召喚してしまうことが多い。

そして、方法2つ目は既存の販売してるものを買う。

メリットは強く安定した戦力を得られ、一から育てる必要が無い。

デメリットとしては、相性が良くなかったりしてしまうこともしばしばだし、何より金額がかなりのものになってしまう。

「うーん...」

結局悩んだ末に召喚を選んだ。

今回は魔力を沢山使うことになるので、大変な作業にはなるが召喚して、強力な仲間が出来れば儲けものだ。

しかし、この時に彼女は気づいていなかった。

自分の魔力が1国を塵にするほどの力を持っていると。

「すみません。自分で使い魔召喚したいんだけど、魔法陣貸してもらうこと出来ます?」と聞くと、店のおばちゃんはにっこりと笑い「奥にどうぞ」と優しく言ってくれた。

そして、魔法陣の前に立ち店の人から借りた小刀で指先を切り魔法陣の真ん中に血を垂らした。

そして魔力を込め始めるのだが、とてつもない魔力を流してしまったせいで、魔法陣が魔法の許容範囲を超えたのかどんどん色が変わっていき漆黒に変わった。

私は「え!?」と言いながらてんやわんやしていた。すると、店のおばちゃんが来て何とか抑えようとしてくれている。悪化することは無くなったが、未だに抑えることが出来ておらず、魔法陣は黒いままだ。

するとおばちゃんが「これは見たこともない色だねー。もしかすると、どえらいもんが出てくんじゃ無いかしら」などと言っている。

私は内心めちゃくちゃ焦った。だって、強過ぎる使い魔は自分も契約してくれるかも分からないし、扱い切れるとも思わないからだ。

「どうしよう...。私そんなに強い使い魔出てきても、契約できる気がしない」と弱音を吐くとおばちゃんが「大丈夫さ」とニコッと微笑みながら言ってくれた。

そして、ついに召喚される瞬間が来た。

魔法陣がゴォーと音を立てながら建物が揺れている。

そして、召喚したのは魔族であった。

私は魔族との契約など絶対に無理だと思った。なぜなら、魔族と契約する場合は高い条件を出してくることが多いからだ。しかし、出てきた魔族は膝をつき「主よ」と言ってきた。

私は「えっ!?」と驚きながらも契約してくれるってこと?とストレートに聞くと、もちろんとのお言葉をいただき、しっかり契約を結んできた。

おばちゃんは「こんな強い魔族が無償で契約してくれるなんて、中々無いから大切にしなさい」と言っていたがこれからどうなるか心配だ。

そして、帰り道私は魔族に聞いた。

「名前はなんて言うの?」すると、「アルトラス・フレノン」と教えて貰った。もちろんあだ名もつけた。

「アルノン」それがこの魔族のあだ名だ。

彼らは夕日に向かうように歩き宿に帰る。

これから、どんな関係に発展してくのかは誰にもまだ分からない。

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女性配信者異世界転生トーク力で乗り切った 沢渡天城 @AWM

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