マッチングアプリ

天川裕司

マッチングアプリ

タイトル:マッチングアプリ


「はぁ〜つまんないなぁ。良いヤツ全然いないじゃない」


私は今日も、マッチングアプリしていた。

良い人を探そうと。

でも全然居ない。

理想が散らばってる、そんな感じ。


あの人、ここが良いんだけどここが…

この人、ここはすごく良いんだけどあの点が…

この人はとても優しそうだけどこの点が…


とにかくすべての理想を満たしてくれる人が居ない。

高望みしているのはわかってるけど、

結婚する場合に妥協は許されない…

それが私のモットーで、もしこの理想が叶わなければ

生涯独身を貫いても良い、その覚悟はもうしていた。


「はぁーーー!もうやめよっかなぁーこれ」

実際、何人かと会ってきたけどやっぱりダメ。

欠点が気になるとどうしても付き合い切れない。


どうせ次も同じだ、次も、次も、次も…。

予測を立てて、本当にやめようとした。


でもその時…

「ん?あ、この人…」

凄く良いじゃない…

そう言える人がリストの中に入ってた。


顔よし、収入よし、スタイルよし、

他のいろんなPR・特徴を見ても、

非の打ち所のないほど良い人だった。


「……ふぅん。会ってみよっかな…」

ふとそんな気になったのだ。


そしてその人とコンタクトを取り、

実際、会うことになった。


男「僕を選んでくれてありがとう」

都内で落ち合うことにして、

その人と実際、面と向かって会ったとき、

私は結婚を決意した。


そしてとんとん拍子で交際が進み結婚。


男「本当に僕を選んでくれてありがとうね。高橋くんと、大島くんと、掛川くんと、横田くん、それに清川くんと坂崎くんの、良いとこだけを持ってるような僕だろ?」


「………え?」

高橋、大島、掛川、横田、清川、坂崎…

この名前を並べてみると

私がこれまであのマッチングアプリで

知り合ったり会ったりしてきた人だ。


おかしい。

プライベート情報が筒抜けになるわけがない。

「なんで知ってるのこの人…?」

そう思いながらふと盆に乗せた

お茶をひっくり返してしまった。


「あっ!あなたごめんなさ…!」

と言う前に夫は、

男「あぶぶぶぶぶぶぶ!」

と言って動かなくなった。


「…え、あなた…?」

よく見ると指の関節部分から煙が出ていた。白い煙。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=vJSHmpOfNu8

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