第8話 一触即発☆
「なんですか?天廻さん?」
「いや、なに。そんなに私と紫水ちゃんを話させたくないのかなと思って」
見るからに剣呑な雰囲気を放つ二人。
「なんなんですか?ヤるんですか?」
「いや、やめておこう。私はかわいい子をめでる趣味はあっても、痛めつけるようなサディスト的趣味嗜好は持ち合わせていないんだ」
「そうですか。では、」
「でも、それは冷たいんじゃないかな。ねぇ紫水ちゃんもまだ時間あるよね?」
「や、あの、えっと」
やばい、急に振られて何も考えてなかった。
「ほら、行きますよ紫水」
「あ、ちょっと待ってよ。紫水ちゃん連絡先だけは交換しようよ、ね。」
「あ、はい」
「紫水っ!!!」
「・・・」
連絡先を交換しようとした矢先ルイちゃんの一喝で動けなくなってしまった。
「怖いなー」
「いい加減にしてください。それこそ警察呼びますよ」
「ふふ、連絡先だけだよ。そんなに束縛しちゃって可哀そう」
目に見えて二人の間にはバチバチと電気が相反している。まさしく
そして先に折れたのは何とルイちゃんだった。
「・・・はぁ、わかりました。連絡先だけは許可しましょう。ただし、連絡をする際にはどんなことであろうとも、わたくしを通してください」
「うーん。まぁここが落としどころかな。それでいいよ。じゃあ紫水ちゃん交換しよう」
あの後、まだ少しバチバチしていた二人を頑張って引きはがして連絡先だけを交換して帰路についた。
家の前、
「紫水、あなたは誰にでもああやって色目を使うのですか?」
「え?」
「あなたには失望しました。最も期待などしていませんが」
「いや、え、あの、えっと、ちょっと」
「汚らわしいですよ。紫水。ですが今日はまぁまぁ楽しかったですよ。それではまた」
「う、うんじゃあね」
また怒らせちゃった。やっぱり私は無知で無能でブスな学習能力がない人間かどうかも怪しい存在なのだろう。
──────────────────────────────────────
はい、って感じです。
では、また。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます